2024-09-04
犬と猫の糖尿病について┃症状や治療法、原因を詳しく解説
大田区、下丸子、矢口を中心に幅広い動物の診療を行う「まるこ未来動物病院」です。
糖尿病と聞くと、多くの方はまず人の生活習慣病を思い浮かべるかもしれません。
しかし、実は犬や猫も糖尿病を発症することがあり、その影響は犬や猫の生活に大きく関わる可能性があります。それでも、犬や猫の糖尿病については、具体的にどのような病気なのか、詳しく知らない方も少なくないでしょう。
今回は、糖尿病とはどのような病気なのか、またその症状や原因、さらに治療法について、詳しく解説していきます。
インスリンは、血糖値を一定に保つために非常に重要な役割を果たしています。しかし、糖尿病では、このインスリンがうまく分泌されなかったり、インスリンの働きが十分でなかったりすることで、血糖値が高くなり続けてしまう病気です。
犬や猫の糖尿病には大きく分けて「Ⅰ型糖尿病」と「Ⅱ型糖尿病」の2種類があります。それぞれ以下のような特徴があります。
しかし、病気が進行するとまず目立つのが「多飲多尿」と呼ばれる、異常なほどの水分摂取と頻繁な排尿です。これは体が血糖値を調整しようとするために起こります。
また、食欲が異常に増しますが、それにも関わらず体重が減少することが多いです。
糖尿病は進行すると、さまざまな合併症を引き起こすことがあります。代表的なものとして、以下の病気が挙げられます。
・白内障(目が白く濁る)
・糖尿病性腎症(犬に多く見られ、食欲低下や嘔吐など)
・神経症状(足がもつれる、麻痺など)
さらに、糖尿病が重篤化すると「糖尿病性ケトアシドーシス」と呼ばれる危険な状態に陥ることがあります。この状態では、血中に「ケトン」という物質が増加し、強い脱水症状や嘔吐、下痢が見られるようになります。この状態が進行すると、昏睡状態に陥り、最悪の場合命に関わる状態になるがあります。
ほかにも場合によっては、ステロイドやホルモン剤などの薬が原因になることもあります。
また、膵臓の病気や副腎皮質機能亢進症といった他の病気から、二次的に糖尿病が発症することもあります。
特に猫は、犬よりも糖尿病を引き起こしやすい要素を多く持っており、そのリスクが高いと言われています。猫の肥満は、糖尿病の発症に強く関わっており、飼い主様が日常的に体重管理をすることが予防の鍵となります。
一方、犬の場合、特に雌犬では発情期や妊娠が糖尿病の発症と関係することがあると考えられています。
具体的には、空腹時に測定した血糖値が通常よりも高い値を示し、同時に尿検査で糖が検出された場合、糖尿病と診断されます。
インスリン注射は血糖値を正常に保つために欠かせないもので、飼い主様が毎日行うことになります。初めての方でも、獣医師が丁寧に指導しますので、安心して行えるようになります。
インスリン注射が必要になる場合もありますが、適切な食事と体重管理を行うことで、インスリン投与が不要になるケースもあります。
猫は、適切な管理を行うことで症状が改善する可能性があり、早期の治療が鍵となります。
まず、肥満とストレスの管理が重要です。肥満は糖尿病の大きなリスク要因となるため、バランスの取れた食事と適度な運動で体重をコントロールしましょう。愛犬や愛猫がリラックスできる環境を整え、ストレスを感じにくい生活を送れるようにすることも大切です。
また、定期的な健康診断を受けることは、病気の早期発見につながります。糖尿病を含め、さまざまな病気を早い段階で見つけることで、治療の選択肢が広がり、愛犬や愛猫の生活の質を維持しやすくなります。
もし糖尿病が発症し、インスリン注射を始めることになった場合、血糖値が下がりすぎることがないよう注意が必要です。インスリン注射後にペットが元気をなくしたり、ふらつきが見られたりした場合は、すぐに動物病院に相談しましょう。低血糖は命に関わる危険な状態になることもありますので、迅速な対応が求められます。
糖尿病の症状が現れた時点では、病気がかなり進行していることが多いため、日頃から定期的な健康診断を受け、早期発見に努めることが大切です。愛犬や愛猫の健康を守るために、予防とケアをしっかりと行いましょう。
東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
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糖尿病と聞くと、多くの方はまず人の生活習慣病を思い浮かべるかもしれません。
しかし、実は犬や猫も糖尿病を発症することがあり、その影響は犬や猫の生活に大きく関わる可能性があります。それでも、犬や猫の糖尿病については、具体的にどのような病気なのか、詳しく知らない方も少なくないでしょう。
今回は、糖尿病とはどのような病気なのか、またその症状や原因、さらに治療法について、詳しく解説していきます。
糖尿病とは
食後は、血液中の糖分、いわゆる血糖値が上昇します。この血糖値を下げて、体内のエネルギーとして利用できる形に変えるのが、膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンです。インスリンは、血糖値を一定に保つために非常に重要な役割を果たしています。しかし、糖尿病では、このインスリンがうまく分泌されなかったり、インスリンの働きが十分でなかったりすることで、血糖値が高くなり続けてしまう病気です。
犬や猫の糖尿病には大きく分けて「Ⅰ型糖尿病」と「Ⅱ型糖尿病」の2種類があります。それぞれ以下のような特徴があります。
<Ⅰ型糖尿病>
インスリンの分泌がほとんど、または全くできなくなる病態で、主に犬に多く見られます。<Ⅱ型糖尿病>
インスリン自体は分泌されているものの、その働きが不十分である病態です。猫に多く見られますが、特に肥満の猫に発症しやすい傾向があります。糖尿病の症状
糖尿病の初期段階では、症状がほとんど見られないことが多く、飼い主様が気づきにくい場合があります。しかし、病気が進行するとまず目立つのが「多飲多尿」と呼ばれる、異常なほどの水分摂取と頻繁な排尿です。これは体が血糖値を調整しようとするために起こります。
また、食欲が異常に増しますが、それにも関わらず体重が減少することが多いです。
糖尿病は進行すると、さまざまな合併症を引き起こすことがあります。代表的なものとして、以下の病気が挙げられます。
・白内障(目が白く濁る)
・糖尿病性腎症(犬に多く見られ、食欲低下や嘔吐など)
・神経症状(足がもつれる、麻痺など)
さらに、糖尿病が重篤化すると「糖尿病性ケトアシドーシス」と呼ばれる危険な状態に陥ることがあります。この状態では、血中に「ケトン」という物質が増加し、強い脱水症状や嘔吐、下痢が見られるようになります。この状態が進行すると、昏睡状態に陥り、最悪の場合命に関わる状態になるがあります。
糖尿病の原因
糖尿病の原因は、多岐にわたります。要因としては、遺伝、自己免疫反応、ウイルス感染、加齢、ストレス、肥満などが挙げられます。ほかにも場合によっては、ステロイドやホルモン剤などの薬が原因になることもあります。
また、膵臓の病気や副腎皮質機能亢進症といった他の病気から、二次的に糖尿病が発症することもあります。
特に猫は、犬よりも糖尿病を引き起こしやすい要素を多く持っており、そのリスクが高いと言われています。猫の肥満は、糖尿病の発症に強く関わっており、飼い主様が日常的に体重管理をすることが予防の鍵となります。
一方、犬の場合、特に雌犬では発情期や妊娠が糖尿病の発症と関係することがあると考えられています。
診断方法
診断は、血液検査と尿検査によって診断を行います。具体的には、空腹時に測定した血糖値が通常よりも高い値を示し、同時に尿検査で糖が検出された場合、糖尿病と診断されます。
治療方法
糖尿病の治療は薬を投与しながら、他にも犬と猫で異なるアプローチが必要になることがあります。以下に、それぞれの特徴に基づいた治療方法を説明します。<犬の糖尿病治療>
犬の場合、I型糖尿病が多く見られます。このタイプでは、犬の体内でインスリンが十分に分泌されないため、インスリン注射が治療の中心となります。インスリン注射は血糖値を正常に保つために欠かせないもので、飼い主様が毎日行うことになります。初めての方でも、獣医師が丁寧に指導しますので、安心して行えるようになります。
<猫の糖尿病治療>
猫の場合は、II型糖尿病が多く、肥満が大きなリスク要因となっています。そのため、食事療法が特に重要で、糖尿病用の療法食(高タンパク、低炭水化物、高繊維質のフード)によって体重を管理し、血糖値を安定させることが治療の中心となります。インスリン注射が必要になる場合もありますが、適切な食事と体重管理を行うことで、インスリン投与が不要になるケースもあります。
猫は、適切な管理を行うことで症状が改善する可能性があり、早期の治療が鍵となります。
予防法やご家庭での注意点
糖尿病を完全に予防する方法はありませんが、愛犬や愛猫が健康で長く幸せに過ごせるよう、日常生活で気をつけたいポイントがあります。まず、肥満とストレスの管理が重要です。肥満は糖尿病の大きなリスク要因となるため、バランスの取れた食事と適度な運動で体重をコントロールしましょう。愛犬や愛猫がリラックスできる環境を整え、ストレスを感じにくい生活を送れるようにすることも大切です。
また、定期的な健康診断を受けることは、病気の早期発見につながります。糖尿病を含め、さまざまな病気を早い段階で見つけることで、治療の選択肢が広がり、愛犬や愛猫の生活の質を維持しやすくなります。
もし糖尿病が発症し、インスリン注射を始めることになった場合、血糖値が下がりすぎることがないよう注意が必要です。インスリン注射後にペットが元気をなくしたり、ふらつきが見られたりした場合は、すぐに動物病院に相談しましょう。低血糖は命に関わる危険な状態になることもありますので、迅速な対応が求められます。
まとめ
糖尿病は、一度発症すると生涯にわたって治療が必要になります。しかし、動物病院と連携しながら上手に血糖値をコントロールすることで、比較的安定した生活を続けることが可能です。糖尿病の症状が現れた時点では、病気がかなり進行していることが多いため、日頃から定期的な健康診断を受け、早期発見に努めることが大切です。愛犬や愛猫の健康を守るために、予防とケアをしっかりと行いましょう。
東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
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