2024-09-04
犬の咳の原因や治療法は?┃止まらない場合は病気かも?
大田区、下丸子、矢口を中心に幅広い動物の診療を行う「まるこ未来動物病院」です。
愛犬が突然咳をし始めると、飼い主としてはとても心配になりますよね。
咳が一時的で、すぐに治まることもありますが、時には深刻な病気のサインであることもあります。特に、普段は元気な愛犬が急に咳をし始めた場合、その背後に大きな問題が隠れている可能性も考えられます。
今回は、犬の咳の原因や考えられる病気、その治療法や予防法について、解説します。
ここでは、咳を「大きく心配する必要がない咳」と「注意が必要な危険な咳」に分けてご説明します。
このような咳はたまにしか起こらず、続く時間も短いのが特徴です。もし愛犬が普段通り元気で、食欲や行動に変化がないなら、大きな問題ではないと考えて安心してよいでしょう。
・1日に何度も咳をする
・夜間や運動後に悪化する咳
・ガチョウが鳴くような音がする咳
・発熱や鼻水など、他の症状を伴う咳
これらの咳は、心臓病や気管虚脱、感染症など、深刻な病気が原因である可能性が高いです。
咳が長引き、他の症状が見られる場合には、いくつかの病気が考えられます。ここでは、特に注意が必要な代表的な病気についてお話しします。
この病気による咳は、息苦しさや疲れやすさ、食欲不振などの症状と一緒に現れることがあります。僧帽弁閉鎖不全症は進行する病気で、放っておくと命に関わることもあるため、早めの診断と治療がとても大切です。
・診断方法と治療方法
診断は、レントゲン検査や超音波検査、心電図検査、血圧測定、心臓バイオマーカー検査を組み合わせて行います。
治療は、主に心臓への負担を減らすための薬物療法が中心となります。病気の進行状況に応じて、強心剤や利尿剤、降圧剤などが処方されます。
・予防法やご家庭での注意点
僧帽弁閉鎖不全症の予防は難しいですが、定期的な健康診断で早期発見することができます。
日常生活では、愛犬の体重管理や適度な運動を心がけ、症状が進行している場合は激しい運動を避け、安静にさせてあげることが大切です。また、塩分を控えた食事も心臓への負担を減らすために効果的です。
この病気による咳は、ガチョウが鳴くような音を伴うことが多く、重症化すると呼吸困難を引き起こす可能性があります。
気管虚脱は進行性の病気で、症状が進むと日常生活にも大きな影響を及ぼすため、早めの治療が必要です。
・診断方法と治療方法
診断には主にレントゲン検査が用いられます。
治療としては、気管を広げる薬や抗炎症剤が使われることが多いです。症状が重い場合は、外科的手術が必要になることもあります。
・予防法やご家庭での注意点
気管虚脱の予防には、愛犬が太りすぎないようにすることが大切です。肥満は気管に余計な負担をかけるため、適切な体重管理を心がけましょう。
また、首輪ではなくハーネスを使うことで、気管への負担を軽減することができます。
さらに、室内環境を整え、空気中の刺激物を減らすことも予防に役立ちます。
これらの感染症は、特にワクチン接種がされていない若い犬や免疫力が低下している犬に多く見られ、咳以外にも発熱や鼻水、食欲不振、神経症状が現れることがあります。
感染症は非常に伝染性が高いため、早期に診断を受けて適切な治療を行うことが重要です。
・診断方法と治療方法
感染症の診断には、視診や触診、聴診などの一般身体検査を行い、必要に応じて血液検査やレントゲン検査、超音波検査、ウイルスの簡易検査キットを組み合わせて総合的に判断します。
症状が軽く犬が元気であれば、抗生剤や気管支拡張剤などの内服薬を処方し、ご自宅で安静にしていただくことが一般的です。
しかし、症状が重く咳がひどい場合や呼吸困難、食欲不振、元気の低下が見られる場合には、ネブライザー療法の併用や入院治療をおすすめすることがあります。
・予防法やご家庭での注意点
感染症の予防には、定期的なワクチン接種が最も効果的です。また、感染が疑われる場合は、他の犬との接触を避け、隔離することが重要です。
そして、清潔な環境を保ち、愛犬の免疫力を高めるためにバランスの取れた食事と十分な休息を心がけましょう。
日常のケアとしては、定期的な健康診断や愛犬の体重管理、適度な運動、バランスの取れた食事が大切です。また、咳が出たときには、その状況をよく観察し、気になることがあれば早めに獣医師に相談するようにしましょう。早期発見と適切な対応が、愛犬の健康を守るための鍵となります。
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東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
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愛犬が突然咳をし始めると、飼い主としてはとても心配になりますよね。
咳が一時的で、すぐに治まることもありますが、時には深刻な病気のサインであることもあります。特に、普段は元気な愛犬が急に咳をし始めた場合、その背後に大きな問題が隠れている可能性も考えられます。
今回は、犬の咳の原因や考えられる病気、その治療法や予防法について、解説します。
犬の咳のさまざまな原因
犬が咳をする理由はさまざまですが、その咳が軽度で心配のないものか、あるいは早急に対処が必要な危険なサインであるかを見極めることが大切です。ここでは、咳を「大きく心配する必要がない咳」と「注意が必要な危険な咳」に分けてご説明します。
<大きく心配する必要がない咳>
犬が咳をする理由の中には、心配しなくてもよいものがあります。例えば、空気中の埃や花粉、アレルギー物質が一時的に刺激になって咳が出ることがあります。また、急に冷たい空気に触れたり、食べ物や水が気管に少し入ってしまったりしたときにも、軽い咳が出ることがあります。このような咳はたまにしか起こらず、続く時間も短いのが特徴です。もし愛犬が普段通り元気で、食欲や行動に変化がないなら、大きな問題ではないと考えて安心してよいでしょう。
<注意した方がよい危険な咳>
一方で、犬の咳が頻繁に起こり、長時間続く場合、あるいは他の症状を伴う場合は、早めの対応が必要です。特に、次のような咳には注意が必要です。・1日に何度も咳をする
・夜間や運動後に悪化する咳
・ガチョウが鳴くような音がする咳
・発熱や鼻水など、他の症状を伴う咳
これらの咳は、心臓病や気管虚脱、感染症など、深刻な病気が原因である可能性が高いです。
犬の咳で考えられる代表的な病気
犬が咳をしているとき、その原因となっている病気を見つけることがとても大切です。咳が長引き、他の症状が見られる場合には、いくつかの病気が考えられます。ここでは、特に注意が必要な代表的な病気についてお話しします。
<僧帽弁閉鎖不全症(心臓の病気)>
犬の咳の原因としてよく見られるのが、心臓の病気によるものです。特に多いのが「僧帽弁閉鎖不全症」で、これは心臓の僧帽弁がうまく閉じなくなり、血液が逆流して肺に水が溜まってしまう病気です。この病気による咳は、息苦しさや疲れやすさ、食欲不振などの症状と一緒に現れることがあります。僧帽弁閉鎖不全症は進行する病気で、放っておくと命に関わることもあるため、早めの診断と治療がとても大切です。
・診断方法と治療方法
診断は、レントゲン検査や超音波検査、心電図検査、血圧測定、心臓バイオマーカー検査を組み合わせて行います。
治療は、主に心臓への負担を減らすための薬物療法が中心となります。病気の進行状況に応じて、強心剤や利尿剤、降圧剤などが処方されます。
・予防法やご家庭での注意点
僧帽弁閉鎖不全症の予防は難しいですが、定期的な健康診断で早期発見することができます。
日常生活では、愛犬の体重管理や適度な運動を心がけ、症状が進行している場合は激しい運動を避け、安静にさせてあげることが大切です。また、塩分を控えた食事も心臓への負担を減らすために効果的です。
<気管虚脱>
気管虚脱は特に小型犬に多く見られる病気で、気管の一部が潰れてしまうことで呼吸が苦しくなり、咳を引き起こす病気です。この病気による咳は、ガチョウが鳴くような音を伴うことが多く、重症化すると呼吸困難を引き起こす可能性があります。
気管虚脱は進行性の病気で、症状が進むと日常生活にも大きな影響を及ぼすため、早めの治療が必要です。
・診断方法と治療方法
診断には主にレントゲン検査が用いられます。
治療としては、気管を広げる薬や抗炎症剤が使われることが多いです。症状が重い場合は、外科的手術が必要になることもあります。
・予防法やご家庭での注意点
気管虚脱の予防には、愛犬が太りすぎないようにすることが大切です。肥満は気管に余計な負担をかけるため、適切な体重管理を心がけましょう。
また、首輪ではなくハーネスを使うことで、気管への負担を軽減することができます。
さらに、室内環境を整え、空気中の刺激物を減らすことも予防に役立ちます。
<感染症>
犬の咳の原因として、感染症も考えられます。特に、犬ジステンパーウイルス、犬アデノウイルス、ケンネルコフといった感染症は、咳を伴う症状を引き起こすことがあります。これらの感染症は、特にワクチン接種がされていない若い犬や免疫力が低下している犬に多く見られ、咳以外にも発熱や鼻水、食欲不振、神経症状が現れることがあります。
感染症は非常に伝染性が高いため、早期に診断を受けて適切な治療を行うことが重要です。
・診断方法と治療方法
感染症の診断には、視診や触診、聴診などの一般身体検査を行い、必要に応じて血液検査やレントゲン検査、超音波検査、ウイルスの簡易検査キットを組み合わせて総合的に判断します。
症状が軽く犬が元気であれば、抗生剤や気管支拡張剤などの内服薬を処方し、ご自宅で安静にしていただくことが一般的です。
しかし、症状が重く咳がひどい場合や呼吸困難、食欲不振、元気の低下が見られる場合には、ネブライザー療法の併用や入院治療をおすすめすることがあります。
・予防法やご家庭での注意点
感染症の予防には、定期的なワクチン接種が最も効果的です。また、感染が疑われる場合は、他の犬との接触を避け、隔離することが重要です。
そして、清潔な環境を保ち、愛犬の免疫力を高めるためにバランスの取れた食事と十分な休息を心がけましょう。
まとめ
愛犬が咳をしていると、軽い症状のように思えても、その背後に深刻な病気が隠れている可能性があります。特に、咳が長引いたり頻繁に起こったり、他の症状が見られる場合は、できるだけ早く動物病院で診察を受けることが重要です。日常のケアとしては、定期的な健康診断や愛犬の体重管理、適度な運動、バランスの取れた食事が大切です。また、咳が出たときには、その状況をよく観察し、気になることがあれば早めに獣医師に相談するようにしましょう。早期発見と適切な対応が、愛犬の健康を守るための鍵となります。
■関連する記事はこちらで解説しています
・犬の肺水腫について
東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
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