img

2024-10-11

犬と猫の避妊・去勢手術のメリットとリスク|健康を守るための選択肢

大田区、下丸子、矢口を中心に幅広い動物の診療を行う「まるこ未来動物病院」です。

愛犬や愛猫の避妊・去勢手術について、一度は悩まれたことがあるのではないでしょうか。「自然のままの方がよいのではないか」「手術のリスクが心配」といった不安の声も多く聞かれます。しかし、避妊・去勢手術には健康面や行動面での大きなメリットがあるのも事実です。

今回は、獣医師の視点から避妊・去勢手術のメリットだけでなく、手術に伴うリスクや術後のケアについても詳しくお伝えします。



避妊・去勢手術とは?

避妊・去勢手術とは、犬や猫の繁殖能力を失わせるための処置です。避妊手術は、メスの犬や猫に対して卵巣および子宮を摘出する手術を指し、去勢手術は、オスの犬や猫に対して精巣を摘出する手術を指します。
どちらの手術も全身麻酔下で行われ、通常30分から1時間程度で終了します。



飼い主様が悩まれる主なポイント

避妊・去勢手術を考える際、多くの飼い主様が以下の点で悩まれることが多いです。


1. 健康な体に手術を施すことへの抵抗感
愛犬や愛猫が元気で健康な状態であるほど、手術を行うことに対する抵抗感は大きくなります。自然のままがよいのではと悩まれるのは当然です。

2. 麻酔や手術のリスクへの不安
全身麻酔が必要な手術であるため、麻酔に対する不安や手術そのもののリスクについて心配される方も多いです。

3. 手術費用の負担
避妊・去勢手術には費用がかかります。費用の負担が飼い主様の悩みの一つとなることもあります。

4. 子孫を残せなくなることへの迷い
愛犬や愛猫の血統を残したい、子犬や子猫を育ててみたいというお気持ちも手術を躊躇する理由の一つです。

5. 性格や体型の変化への懸念
手術後に性格が変わってしまうのではないか、太りやすくなるのではないかという心配もよく聞かれます。

これらの悩みはどれも飼い主様の大切な愛犬や愛猫への思いからくるもので、決して簡単に解決できるものではありません。しかし、避妊・去勢手術には健康面や行動面での多くのメリットがあることも事実です。
手術の選択が、愛犬や愛猫の健やかな未来につながるかどうか、ぜひ一緒に考えてみましょう。



避妊・去勢手術のメリット

避妊・去勢手術は、愛犬や愛猫の健康を守るための選択肢の一つとして、多くのメリットがあります。

<病気の予防>

避妊・去勢手術を行うことで、性ホルモンに関連した病気のリスクが大幅に減少します。
メスでは、乳腺腫瘍や子宮蓄膿症などの深刻な病気を防ぐことができ、オスでは、前立腺肥大、精巣腫瘍、肛門周囲腺腫などの予防効果が期待できます。

乳腺腫瘍についてはこちらで解説しています


<望まない妊娠の防止>

無計画な繁殖を避けることができ、飼い主様の負担が軽減されるだけでなく、不幸な命を生み出すことを防ぎます。


<行動問題の改善>

性ホルモンによって引き起こされるマーキングやマウンティングといった問題行動が減少することがあります。
また、オスでは攻撃性が軽減されるケースも多く、より穏やかで飼いやすい性格に変わることが期待できます。


<発情によるストレスの軽減>

発情期に見られる特有の行動や大きな鳴き声が軽減されることで、愛犬や愛猫のストレスも和らぎます。飼い主様にとっても一緒に過ごす日々がより穏やかで快適なものとなるでしょう。


<寿命の延長>

避妊・去勢手術によって病気のリスクを減らすことで、健康寿命が延びる可能性があります。



避妊・去勢手術のデメリット

避妊・去勢手術には多くのメリットがありますが、先ほどご紹介した飼い主様のお悩みのポイントがあるように、デメリットとなるポイントもあります。メリットだけでなくデメリットも理解しておくことで適切な選択ができるため知っておくことが大切です。
以下に代表的なデメリットをまとめました。

<手術のリスク>

手術は全身麻酔の下で行われるため、麻酔に伴うリスクは避けられませんが、現代の獣医療ではその安全性が飛躍的に向上しています。
手術前には、一般身体検査や血液検査、レントゲン検査などを丁寧に行い、麻酔のリスクをしっかりと確認します。手術中の安全性を高め、リスクを最小限に抑えるよう最善の準備を整えた上で手術に臨みますのでご安心ください。


<肥満のリスク>

避妊・去勢手術後は、ホルモンバランスの変化により代謝が低下し、太りやすくなる傾向があります。そのため、手術後は適切な食事管理と定期的な運動が重要になります。食事の量や内容を見直し、適切な体重を維持することが大切です。


<尿失禁>

まれですが、中年期以降になると尿失禁を起こす場合があります。
最近の報告では、生後1年程度で避妊手術を行うことにより、尿失禁のリスクが減少すると言われています。


<コスト>

手術には費用がかかります。初期費用としては負担に感じるかもしれませんが、将来的な病気のリスクを減らし、治療費が抑えられることを考えると、長期的には経済的である場合も多いです。


<繁殖ができなくなる>

手術を行うことで、子孫を残すことができなくなります。繁殖を考えている場合は、手術のタイミングや計画を慎重に検討することが大切です。



避妊去勢後のご家庭での注意点

手術後は、愛犬や愛猫が健康に過ごせるよう、ご家庭でのケアがとても大切です。以下のポイントを参考にして、日常の管理を心がけましょう。


・食事管理
手術後は代謝が変わり食欲が増加することで、肥満になりやすくなることがあります。カロリー制限を意識した食事や、避妊・去勢後専用のフードを選ぶなど、適切な食事管理が必要です。おやつの量にも注意して、バランスのよい食生活を心がけましょう。


・運動
適度な運動は健康維持に欠かせません。日々の散歩や遊びを通じて、楽しく体を動かす時間を作りましょう。運動を続けることで、体重管理だけでなくストレスの軽減にも役立ちます。


・定期健診
手術後も健康管理の一環として、年に1~2回の健康診断を受けましょう。体重や健康状態を定期的にチェックすることで、病気の早期発見や適切な対応が可能になります。


・傷口のケア
手術直後は傷口を舐めたり、引っ掻いたりしないように注意が必要です。エリザベスカラーやエリザベスウエアの使用、指示されたケアをしっかりと行い、傷がしっかり治るまで様子を見守りましょう。

当院では、エリザベスカラーの代わりに「エリザベスウエア」の使用をお勧めしています。エリザベスカラーに慣れていない動物は、あちこちにぶつけてしまったり、ストレスでヨダレを垂らしたり、ご飯を食べなくなることがあります。エリザベスウエアは、そうした負担が少なく、身に付けることができます。


・行動観察
手術後に性格や行動に変化が見られる場合があります。特に新たな行動やいつもと違う様子がないか、日常的に観察してください。気になる変化があれば、早めに獣医師に相談することが大切です。



まとめ

避妊・去勢手術は、愛犬や愛猫の健康を守り、幸せな生活をサポートするための大切な選択肢です。もちろん、手術にはデメリットもありますが、メリットがそれを上回るケースが多くあります。
当院では、メスの場合は初回発情後、オスの場合は1歳以降の時期に避妊・去勢手術をお勧めしています。
若いうちに手術を行うことで、将来の病気のリスクを大きく減らす予防効果が期待できます。ただし、マーキングがひどいなどの理由でお悩みの方もいらっしゃるため、手術の時期については飼い主様とご相談の上で決めていきます。

最終的な判断は飼い主様にゆだねられますが、愛犬や愛猫の将来的な健康リスクや、社会的な責任についても考慮していただければと思います。愛犬や愛猫との楽しい時間を、より長く、健康的に過ごすためにも、避妊・去勢手術を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
迷われた際は、ぜひ当院へお越しください。経験豊富な獣医師が、愛犬や愛猫の個別の状況に応じて丁寧に診察し、最適なアドバイスをさせていただきます。



東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】

当院の診療案内はこちら

お問い合わせはこちら

お悩み・気になることなど、小さなことからお気軽にご相談ください。お問い合わせやご質問等についてはこちらよりお願いいたします。回答にはお問い合わせから2、3日程いただく場合がございますがご了承ください。お急ぎの方は電話にてお問い合わせください。

img

03-3757-0750

住所

東京都大田区下丸子3-22-4-1F
(東急多摩川線 下丸子駅から徒歩4分) 

診療科目

犬・猫・小動物・鳥など

診療時間

平日 10:00〜12:30 / 16:00〜18:30
祝日 09:00〜12:00

休診日

水曜日

保険 

アイペット損保・アニコム損害保険の窓口精算可

©2020 MARUKO MIRAI VETERINARY HOSPITAL