2024-10-11
犬の関節炎の予防と治療法|愛犬の痛みを和らげるためのケア
大田区、下丸子、矢口を中心に幅広い動物の診療を行う「まるこ未来動物病院」です。
犬の関節炎は、年齢を重ねた犬だけでなく、若い犬にも起こりうる身近な問題です。運動不足や体重増加、さらには遺伝的な要因も関節炎の原因となることがあります。
愛犬が少しでも快適に過ごせるようにするためには、関節炎の早期発見と適切な治療がとても重要です。
今回は、愛犬の関節炎の予防法や治療のポイントについて、日常生活で気を付けるべきことや、病院での治療方法も含めて、わかりやすく解説します。
関節炎は体のどの関節でも起こる可能性がありますが、特に足や腰、膝、股関節など、体重がかかりやすい部分に多く見られます。日常生活に支障をきたすこともあるため、早めの対処が大切です。
・歩き方がぎこちなくなる
歩く際に足を引きずり、ぎこちない動きになることがあります。
・立ち上がりや横になるのが困難になる
特に休んだ後や長時間寝ていた後に、立ち上がるのを嫌がるようになることがあります。
・階段の上り下りを嫌がる
階段を使うのを避けたり、途中で止まったりしてしまうことがあります。
・普段の活動量が減る
散歩に行きたがらない、遊びに消極的になるなど、元気がなくなることがあります。
・関節に触られると痛がる
痛みを感じる部分に触れられるのを嫌がり、触ろうとすると逃げたり怒ったりすることがあります。
・加齢による関節の摩耗
年齢を重ねることで関節の軟骨がすり減ったり変性したりすることで、関節に炎症が起こりやすくなります。
・過度の運動や外傷
激しい運動やジャンプなどの負担がかかる動作、転倒や事故による怪我が原因で関節にダメージが蓄積され、炎症が起こることがあります。
・肥満による関節への負担
体重が増えると、それだけ関節にかかる負担も大きくなります。特に膝や腰など、体重を支える部分に炎症が起こりやすくなります。
・免疫介在性の関節炎
自己免疫の異常により、体が自分自身を攻撃してしまうことで四肢の関節に炎症が生じ、関節の痛みや発熱を引き起こします。
この関節炎には「びらん性」と「非びらん性」の2つのタイプがあります。びらん性関節炎では関節リウマチがよく見られ、非びらん性関節炎では多発性関節炎が多くみられます。
・感染性の関節炎
感染性の関節炎は、細菌やウイルス、真菌などの病原体が関節に侵入することで起こる炎症です。これは、外傷や手術などで直接関節に病原体が入る場合や、血液やリンパを通じて間接的に感染が広がる場合があります。
感染性関節炎は早期治療が必要で、放置すると関節の損傷が進むことがあります。
・遺伝的要因
一部の犬種では、関節炎になりやすい遺伝的な傾向があります。特に大型犬や特定の犬種は、関節の病気を引き起こしやすいため、予防的なケアが重要です。
まずは、飼い主様から愛犬の症状や普段の生活環境について詳しく伺う問診を行います。いつから症状が出始めたのか、どのような時に痛がるのかなど、日常の様子を詳しくお聞きすることで、診断の手がかりになります。
続いて、関節に触れて、腫れや痛みの有無を確認する身体検査を行います。関節の動きや歩き方を観察し、関節炎の兆候がないかを詳しくチェックします。
その後、レントゲンやCT検査などの画像検査を行い、関節の状態をより詳しく調べます。これにより、骨や関節の異常、炎症の進行具合などをしっかり把握することができます。
さらに、血液検査を行うことで、炎症の程度や他の病気の可能性を調べます。
これらの診察方法を組み合わせることで、愛犬の状態を正確に診断し、最適な治療方針を決定していきます。
この薬は月に1回の投与で効果が持続する事例が多く、たくさんの飼い主様にご好評いただいています。
また、「カルトロフェン」は骨関節炎症状改善剤で、関節の炎症を抑え、軟骨の変性を防ぐ効果が期待できます。
他にも非ステロイド系の鎮痛消炎剤や神経痛を和らげる薬、さらに症状に応じてステロイドや免疫抑制剤を使用することもあります。
・滑りやすい床は避け、クッション性のあるマットを敷く
フローリングやタイルなどの滑りやすい床は、関節に負担をかけることがあります。クッション性のあるマットやカーペットを敷いて、足腰の負担を軽減しましょう。
・寒さから守る(特に冬場)
寒さは関節に悪影響を与えることがあります。特に冬場は暖かい寝床を用意し、服を着せるなどして、冷えから愛犬を守りましょう。
・急な運動や過度な運動を避ける
急な動きや無理な運動は、関節を痛める原因になります。適度な運動を心がけ、急なジャンプや激しい走り込みは避けるようにしましょう。
・定期的な獣医師の診察を受ける
関節炎の状態を把握し、適切な治療を続けるためにも定期的に獣医師の診察を受けることが大切です。
特に最近の新しい治療法の登場により、多くの犬たちが痛みから解放され、より快適に過ごせるようになっています。
例えば、月に1回の注射で済む新薬は、毎日の投薬の手間がかからず、副作用も少ないことから、多くの飼い主様に支持されています。また、「カルトロフェン」のような薬剤は、炎症を抑えるだけでなく、軟骨を保護する効果もあり、関節炎の進行を防ぐ助けとなる場合が多くあります。
また、免疫介在性の関節炎の場合は、生涯に渡り治療が必要になることがあります。
もし愛犬の症状が気になる場合や、定期的な健康チェックをご希望の方は、ぜひ一度診察にお越しください。
早期の発見と治療が健康を守るための大切なポイントとなりますので、どんな些細なことでも遠慮なくご相談ください。
■関節炎に関連する記事はこちらです
・犬や猫の変形性関節症について|遊びや歩くのを嫌がる
東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
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犬の関節炎は、年齢を重ねた犬だけでなく、若い犬にも起こりうる身近な問題です。運動不足や体重増加、さらには遺伝的な要因も関節炎の原因となることがあります。
愛犬が少しでも快適に過ごせるようにするためには、関節炎の早期発見と適切な治療がとても重要です。
今回は、愛犬の関節炎の予防法や治療のポイントについて、日常生活で気を付けるべきことや、病院での治療方法も含めて、わかりやすく解説します。
関節炎とは
関節炎とは、骨と骨をつなぐ関節に炎症が起こる病気です。この炎症により、関節が腫れたり、痛みが生じたりするため、愛犬が動くのを嫌がったり、歩き方がぎこちなくなることがあります。関節炎は体のどの関節でも起こる可能性がありますが、特に足や腰、膝、股関節など、体重がかかりやすい部分に多く見られます。日常生活に支障をきたすこともあるため、早めの対処が大切です。
症状
関節炎が進行すると、愛犬の日常の動きに以下のような変化が見られることがあります。・歩き方がぎこちなくなる
歩く際に足を引きずり、ぎこちない動きになることがあります。
・立ち上がりや横になるのが困難になる
特に休んだ後や長時間寝ていた後に、立ち上がるのを嫌がるようになることがあります。
・階段の上り下りを嫌がる
階段を使うのを避けたり、途中で止まったりしてしまうことがあります。
・普段の活動量が減る
散歩に行きたがらない、遊びに消極的になるなど、元気がなくなることがあります。
・関節に触られると痛がる
痛みを感じる部分に触れられるのを嫌がり、触ろうとすると逃げたり怒ったりすることがあります。
原因
関節炎の原因はさまざまですが、以下のような要因が挙げられます。・加齢による関節の摩耗
年齢を重ねることで関節の軟骨がすり減ったり変性したりすることで、関節に炎症が起こりやすくなります。
・過度の運動や外傷
激しい運動やジャンプなどの負担がかかる動作、転倒や事故による怪我が原因で関節にダメージが蓄積され、炎症が起こることがあります。
・肥満による関節への負担
体重が増えると、それだけ関節にかかる負担も大きくなります。特に膝や腰など、体重を支える部分に炎症が起こりやすくなります。
・免疫介在性の関節炎
自己免疫の異常により、体が自分自身を攻撃してしまうことで四肢の関節に炎症が生じ、関節の痛みや発熱を引き起こします。
この関節炎には「びらん性」と「非びらん性」の2つのタイプがあります。びらん性関節炎では関節リウマチがよく見られ、非びらん性関節炎では多発性関節炎が多くみられます。
・感染性の関節炎
感染性の関節炎は、細菌やウイルス、真菌などの病原体が関節に侵入することで起こる炎症です。これは、外傷や手術などで直接関節に病原体が入る場合や、血液やリンパを通じて間接的に感染が広がる場合があります。
感染性関節炎は早期治療が必要で、放置すると関節の損傷が進むことがあります。
・遺伝的要因
一部の犬種では、関節炎になりやすい遺伝的な傾向があります。特に大型犬や特定の犬種は、関節の病気を引き起こしやすいため、予防的なケアが重要です。
診察方法
関節炎の診断には、さまざまな検査を組み合わせて犬の状態を詳しく調べます。まずは、飼い主様から愛犬の症状や普段の生活環境について詳しく伺う問診を行います。いつから症状が出始めたのか、どのような時に痛がるのかなど、日常の様子を詳しくお聞きすることで、診断の手がかりになります。
続いて、関節に触れて、腫れや痛みの有無を確認する身体検査を行います。関節の動きや歩き方を観察し、関節炎の兆候がないかを詳しくチェックします。
その後、レントゲンやCT検査などの画像検査を行い、関節の状態をより詳しく調べます。これにより、骨や関節の異常、炎症の進行具合などをしっかり把握することができます。
さらに、血液検査を行うことで、炎症の程度や他の病気の可能性を調べます。
これらの診察方法を組み合わせることで、愛犬の状態を正確に診断し、最適な治療方針を決定していきます。
治療方法
関節炎の治療にはさまざまな方法があり、近年では新しい治療法も登場し、多くの犬に効果を発揮しています。愛犬の状態に合わせて、以下の方法を組み合わせることが一般的です。<薬物療法>
新薬「リブレラ」(犬用)や「ソレンシア」(猫用)は、痛みを感じる受容体に作用するモノクローナル抗体です。モノクローナル抗体とは、特定の物質にピンポイントで作用する抗体で、痛みの原因となる部分に直接働きかける効果があります。この薬は月に1回の投与で効果が持続する事例が多く、たくさんの飼い主様にご好評いただいています。
また、「カルトロフェン」は骨関節炎症状改善剤で、関節の炎症を抑え、軟骨の変性を防ぐ効果が期待できます。
他にも非ステロイド系の鎮痛消炎剤や神経痛を和らげる薬、さらに症状に応じてステロイドや免疫抑制剤を使用することもあります。
<体重管理>
過度の体重は関節への大きな負担となるため、適切な体重維持が重要です。食事管理と運動を組み合わせて、健康的な体重を保ちましょう。<運動療法>
適度な運動は関節の柔軟性を保つのに役立ちますが、無理のない範囲で行うことが大切です。日常的に軽い散歩や遊びを取り入れて、関節を適度に動かしましょう。<サプリメント>
グルコサミンやコンドロイチンなどのサプリメントが、関節の健康をサポートする効果が期待できます。獣医師の指導のもと、適切なサプリメントを取り入れてください。<物理療法>
マッサージや温熱療法なども、関節炎の症状改善に役立ちます。痛みの緩和や血行の促進に効果があり、犬のリラクゼーションにもつながります。気を付けるべきポイント
関節炎の管理には、日常生活での注意も非常に重要です。以下の点に気を付けて、愛犬の関節をサポートしましょう。・滑りやすい床は避け、クッション性のあるマットを敷く
フローリングやタイルなどの滑りやすい床は、関節に負担をかけることがあります。クッション性のあるマットやカーペットを敷いて、足腰の負担を軽減しましょう。
・寒さから守る(特に冬場)
寒さは関節に悪影響を与えることがあります。特に冬場は暖かい寝床を用意し、服を着せるなどして、冷えから愛犬を守りましょう。
・急な運動や過度な運動を避ける
急な動きや無理な運動は、関節を痛める原因になります。適度な運動を心がけ、急なジャンプや激しい走り込みは避けるようにしましょう。
・定期的な獣医師の診察を受ける
関節炎の状態を把握し、適切な治療を続けるためにも定期的に獣医師の診察を受けることが大切です。
まとめ
関節炎は完治が難しい病気ですが、適切な管理と治療を行うことで、愛犬の生活の質を大きく改善することができます。特に最近の新しい治療法の登場により、多くの犬たちが痛みから解放され、より快適に過ごせるようになっています。
例えば、月に1回の注射で済む新薬は、毎日の投薬の手間がかからず、副作用も少ないことから、多くの飼い主様に支持されています。また、「カルトロフェン」のような薬剤は、炎症を抑えるだけでなく、軟骨を保護する効果もあり、関節炎の進行を防ぐ助けとなる場合が多くあります。
また、免疫介在性の関節炎の場合は、生涯に渡り治療が必要になることがあります。
もし愛犬の症状が気になる場合や、定期的な健康チェックをご希望の方は、ぜひ一度診察にお越しください。
早期の発見と治療が健康を守るための大切なポイントとなりますので、どんな些細なことでも遠慮なくご相談ください。
■関節炎に関連する記事はこちらです
・犬や猫の変形性関節症について|遊びや歩くのを嫌がる
東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
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