2024-11-13
愛猫がよく食べるのに痩せる?|高齢猫に多い甲状腺機能亢進症
大田区、下丸子、矢口を中心に幅広い動物の診療を行う「まるこ未来動物病院」です。
猫の高齢化が進むにつれて、気を付けるべき病気の一つとして「甲状腺機能亢進症」があります。特に高齢の猫に多く見られるこの病気ですが、早期に発見して適切な治療や管理を行うことでその後の生活の質を大きく改善することが期待できます。
今回は、猫の甲状腺機能亢進症の特徴や治療方法について解説します。
しかし甲状腺機能亢進症になると、甲状腺ホルモンが過剰に産生・分泌され、体全体の代謝が異常に活発化してしまいます。その結果、食欲が増したり、体重が減少したりといった症状が現れ、猫にとっては負担となります。
特に中高齢の猫で見られることが多く、10歳以上の猫では約10%がこの病気にかかるという報告もあります。
・体重減少
食欲は増えているのに、体重が減少してしまいます。これは、代謝が活発になりすぎてエネルギーが消耗されるためです。
・多飲多尿
水をたくさん飲むようになり、それに伴って尿の回数も増えることが多いです。
・落ち着きのなさ
普段よりも活動的で、なんとなく落ち着かない様子が見られることもあります。
・下痢や嘔吐
消化器系に影響が出て、下痢や嘔吐といった症状が現れる場合があります。
下痢や嘔吐についてはこちらで解説しています
・被毛の状態の悪化
毛艶が失われてぱさついたり、抜け毛が増えたりすることもあります。
一部の猫では、遺伝的な要因や環境の影響が関係している可能性があるとも考えられていますが、これも研究段階です。
そのため、甲状腺機能亢進症の発症を防ぐための確かな方法はまだわかっていませんが、日々の健康管理や定期的な検診が、早期発見に繋がります。
・触診
首のあたりを触診し、甲状腺が大きくなっていないか、腫れていないかを確認します。
甲状腺機能亢進症の猫では甲状腺が肥大していることが多く、触診でその異常が感じられる場合もあります。
・血液検査
確定診断には、血液検査が非常に重要です。
特に甲状腺ホルモン(T4)の数値を測定し、基準値を超えているかどうかを調べます。異常な数値が見つかれば、甲状腺機能亢進症と診断されます。
・超音波検査
腫瘍があるかどうかや、甲状腺の状態をより詳細に確認するために超音波検査が行われることもあります。
甲状腺機能亢進症によって引き起こされる高血圧や心筋肥大、目の異常(眼底出血、網膜剥離)などが疑われる場合には、追加の検査として血圧測定、超音波検査、X線検査、眼科検査などが行われます。
また、薬が効果的に働いているか、副作用が出ていないかを確認するため、定期的な血液検査を行い、投与量を調整することが必要です。
食事療法では副作用を最小限に抑えることができますが、猫によってはフードを好まないこともあるため、しっかり食べているかどうかの確認が大切です。
それぞれの治療にはメリットと注意点があるため、猫の体調や性格に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。
特に、7歳以上の猫にはこのような変化がないか日頃から気を付けて観察してあげましょう。
また、目立った症状がなくても甲状腺機能亢進症にかかっていることがあるため、中高齢になったら、定期的な健康診断で甲状腺ホルモンの数値もチェックするのが安心です。
もし愛猫に少しでも異変を感じたら、早めに動物病院で診察を受けましょう。
症状や治療方法についての理解を深めることも健康管理には欠かせませんので、気になることがあればどうぞ当院にご相談ください。
東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
当院の診療案内はこちら
猫の高齢化が進むにつれて、気を付けるべき病気の一つとして「甲状腺機能亢進症」があります。特に高齢の猫に多く見られるこの病気ですが、早期に発見して適切な治療や管理を行うことでその後の生活の質を大きく改善することが期待できます。
今回は、猫の甲状腺機能亢進症の特徴や治療方法について解説します。
甲状腺機能亢進症とは
甲状腺は首のあたりにある内分泌腺で、ここから分泌される甲状腺ホルモンが、体全体のさまざまな代謝を調整しています。このホルモンは、健康な生活を支えるために欠かせない存在です。しかし甲状腺機能亢進症になると、甲状腺ホルモンが過剰に産生・分泌され、体全体の代謝が異常に活発化してしまいます。その結果、食欲が増したり、体重が減少したりといった症状が現れ、猫にとっては負担となります。
特に中高齢の猫で見られることが多く、10歳以上の猫では約10%がこの病気にかかるという報告もあります。
症状
猫の甲状腺機能亢進症では、いくつかの特徴的な症状が見られます。以下はその主な症状です。・体重減少
食欲は増えているのに、体重が減少してしまいます。これは、代謝が活発になりすぎてエネルギーが消耗されるためです。
・多飲多尿
水をたくさん飲むようになり、それに伴って尿の回数も増えることが多いです。
・落ち着きのなさ
普段よりも活動的で、なんとなく落ち着かない様子が見られることもあります。
・下痢や嘔吐
消化器系に影響が出て、下痢や嘔吐といった症状が現れる場合があります。
下痢や嘔吐についてはこちらで解説しています
・被毛の状態の悪化
毛艶が失われてぱさついたり、抜け毛が増えたりすることもあります。
原因
甲状腺機能亢進症の主な原因は、甲状腺の過形成や良性の腫瘍(甲状腺腫)によって、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることです。しかし、なぜこれらの変化が起こるのか、具体的な原因はまだ解明されていません。一部の猫では、遺伝的な要因や環境の影響が関係している可能性があるとも考えられていますが、これも研究段階です。
そのため、甲状腺機能亢進症の発症を防ぐための確かな方法はまだわかっていませんが、日々の健康管理や定期的な検診が、早期発見に繋がります。
診察方法
甲状腺機能亢進症の診断には、以下のような方法が主に用いられます。・触診
首のあたりを触診し、甲状腺が大きくなっていないか、腫れていないかを確認します。
甲状腺機能亢進症の猫では甲状腺が肥大していることが多く、触診でその異常が感じられる場合もあります。
・血液検査
確定診断には、血液検査が非常に重要です。
特に甲状腺ホルモン(T4)の数値を測定し、基準値を超えているかどうかを調べます。異常な数値が見つかれば、甲状腺機能亢進症と診断されます。
・超音波検査
腫瘍があるかどうかや、甲状腺の状態をより詳細に確認するために超音波検査が行われることもあります。
甲状腺機能亢進症によって引き起こされる高血圧や心筋肥大、目の異常(眼底出血、網膜剥離)などが疑われる場合には、追加の検査として血圧測定、超音波検査、X線検査、眼科検査などが行われます。
治療方法
甲状腺機能亢進症には、以下のような治療方法があります。<内科療法>
甲状腺ホルモンの合成を抑える抗甲状腺薬を使います。副作用として、嘔吐などの消化器症状が現れる場合があるため、投薬を始めた後は特に注意深く様子を見守りましょう。また、薬が効果的に働いているか、副作用が出ていないかを確認するため、定期的な血液検査を行い、投与量を調整することが必要です。
<食事療法>
甲状腺ホルモンの材料となるヨウ素を少なくした専用のフード(ヨウ素制限食)を与える方法です。食事療法では副作用を最小限に抑えることができますが、猫によってはフードを好まないこともあるため、しっかり食べているかどうかの確認が大切です。
<手術>
甲状腺の一部または全体を摘出する手術も一つの選択肢です。ただし、外科手術にはリスクが伴うため、慎重に検討する必要があります。それぞれの治療にはメリットと注意点があるため、猫の体調や性格に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。
気を付けるべきポイント
甲状腺機能亢進症の初期症状には、「食欲が増える」「水をよく飲むようになる」「活発になる」といった変化があります。これだけを見ると、元気になったように見えるかもしれませんが、こうした兆候が甲状腺機能亢進症のサインであることも少なくありません。特に、7歳以上の猫にはこのような変化がないか日頃から気を付けて観察してあげましょう。
また、目立った症状がなくても甲状腺機能亢進症にかかっていることがあるため、中高齢になったら、定期的な健康診断で甲状腺ホルモンの数値もチェックするのが安心です。
まとめ
甲状腺機能亢進症は、猫の高齢化に伴い増加している病気です。早期に発見し、適切な治療を行うことが、猫の健康を守るためにとても大切です。もし愛猫に少しでも異変を感じたら、早めに動物病院で診察を受けましょう。
症状や治療方法についての理解を深めることも健康管理には欠かせませんので、気になることがあればどうぞ当院にご相談ください。
東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
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