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2024-12-11

冬場も注意!犬猫のノミ・ダニ対策|季節ごとの予防策と駆除法をわかりやすく解説

大田区、下丸子、矢口を中心に幅広い動物の診療を行う「まるこ未来動物病院」です。

ノミやダニは愛犬や愛猫だけでなく、私たち人間にも深刻な影響を与える厄介な存在です。これらの寄生虫は単に痒みや皮膚炎を引き起こすだけではなく、場合によっては重い感染症を媒介し、健康面や衛生面で大きなリスクをもたらします。

特に四季があり温暖な気候を持つ日本では、ノミやダニへの対策が年間を通して欠かせません。室内で飼育している場合でも、飼い主様の衣服などを通じて外から侵入することがあるため、油断は禁物です。

今回は、愛犬や愛猫をノミやダニの被害から守るために必要な対策について、わかりやすく解説します。
寒い冬の時期でも気をつけるべきポイントを押さえ、一年中安心して過ごせる環境を整えましょう。



ノミとダニの基礎知識

<ノミについて>
ノミは世界中で2,000種類以上存在すると言われていますが、犬や猫に寄生するのはその中のごく一部です。
日本で一般的に見られるのはイヌノミネコノミで、中でもネコノミが非常に多いことが特徴です。この「ネコノミ」という名前ですが、猫だけでなく犬にも寄生する寄生虫です。

ネコノミは体長1~3mmほどの赤褐色の体を持ち、体全体を素早くカサカサと動き回るほか、ピョンピョンと跳ねるのも特徴です。
寄生されるとノミそのものに加え、黒い小さなゴマのような糞が愛犬や愛猫の体に付着します。この糞を指でつぶすと赤い色素が出るため、ノミが寄生しているかどうかを確認する際の目安になります。

【顕微鏡で見たノミの幼虫と卵の画像】

さらに、ノミが吸血する際に分泌される唾液が原因で、犬や猫にアレルギー反応が起きることがあります。これを「ノミアレルギー」といい、強い痒みや湿疹が現れ、愛犬や愛猫がひどく苦しむこともあります。
また、ノミが大量に寄生すると、吸血によって貧血を引き起こす場合もあります。

アレルギー性皮膚炎についてはこちらから

ノミは病気を媒介することでも知られており、例えば瓜実条虫症猫ヘモプラズマ感染症などがあります。特に瓜実条虫は、人にも感染するリスクがあるため、飼い主様も十分に注意する必要があります。

<ダニについて>
ダニもノミと同様に非常に多くの種類が存在しますが、特に散歩中に犬や猫が被害を受けやすいのは「マダニ」です。吸血前のマダニは体長2~3mmほどと非常に小さいのですが、一度吸血を始めると、その体がなんと200倍ほどに膨れ上がるという驚きの特徴があります。

マダニに寄生されると、ノミの場合と同じく貧血や皮膚炎を引き起こすことがあります。また、犬バベシア症ヘモプラズマ感染症ライム病といった病気を媒介する可能性も高く、これらは場合によって命に関わることもあるため注意が必要です。

さらに、近年問題となったSFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、人にも感染する「人獣共通感染症」の一つです。犬や猫だけでなく、飼い主様である私たち人間にも感染リスクがあるため、特に警戒が必要です。



知っておきたい!ノミとダニのライフサイクル

ノミやダニは、どのような一生を過ごしている
のでしょうか。それぞれのライフサイクルを知ることで、効果的な対策がとりやすくなります。

<ノミのライフサイクル>
ノミの一生は3つの段階に分かれています。

1.産卵と孵化
成虫のノミは寄生した動物の体表で産卵します。卵からは、約2日〜1週間で幼虫が孵化します。

2.幼虫からサナギへ
幼虫は、8日ほどで繭を作り、サナギになります。このサナギの段階では、温度と湿度が大きく影響します。特に温度が24〜32℃、湿度が78〜80%という環境が整うと、サナギは成虫へと羽化します。
一方、冬場など条件が整わないと、サナギの状態で長期間過ごします。

3.成虫へと羽化
成虫になったノミはすぐに寄生する動物を探します。そして、寄生するとすぐに吸血を開始し、繁殖を繰り返します。


<ダニのライフサイクル>
ダニのライフサイクルは、寄生と吸血、地上での脱皮を繰り返しながら進んでいきます。

1.産卵と孵化
成虫のダニは地上に産卵し、卵から幼虫が孵化します。この幼虫はすぐに宿主(寄生動物)を探して吸血を開始します。

2.脱皮と変態
吸血後、ダニは宿主の体から地面に落下し、地上で脱皮して「第一若虫」になります。若虫になると再び宿主に寄生して吸血を行い、さらに落下・脱皮を繰り返して「第二若虫」へと変態します。このプロセスをもう一度繰り返すと、ダニは成虫になります。

3.成虫の産卵
成虫になったダニは吸血を行った後、地上に落下して産卵します。これを繰り返して次々と新たな世代を生み出します。



冬場でも油断禁物!季節別の注意点

「冬はノミやダニの心配は必要ない」と思っていませんか?実はそれ、大きな誤解です。
ノミやダニは季節を問わず活動しているため、一年を通じての対策が欠かせません。ここでは、季節ごとの注意点について解説します。

<春~秋の対策>
春から秋にかけては、ノミやダニが一年の中で最も活発に活動する時期です。この時期は特に注意深いケアが必要になります。
まず、動物病院で処方されるスポット薬や飲み薬を活用し、確実に予防することが大切です。
また、散歩から帰ったら、愛犬や愛猫の体を丁寧にブラッシングし、ノミやダニがついていないか確認しましょう。特に耳やお腹、足の裏など、見えにくい部分もしっかりチェックすることがポイントです。

<冬場の対策>
冬場でもノミやダニの心配を怠るのは危険です。室内は暖房によって温度が快適に保たれているため、ノミやダニが生存しやすい環境が整っています
これらの寄生虫は、ソファやカーペット、家具の隙間などに潜んでいることが多いため、掃除や洗濯をこまめに行い、隠れ場所を減らすように心掛けましょう。
さらに、春から秋だけでなく、冬の間も予防薬を継続して使用することが重要です。定期的に動物病院で相談しながら、適切なケアを続けてください。



効果的な予防と対策

ノミやダニから愛犬や愛猫を守るためには、予防薬の使用と環境管理が欠かせません。

<予防薬を活用する>
最も効果的な予防方法は、動物病院で処方される予防薬を定期的に使用することです。予防薬には、背中や首元に塗布するスポットタイプや、内服する飲み薬タイプがあります。
また、フィラリアやお腹の寄生虫も同時に予防できるオールインワンタイプもあるため、愛犬や愛猫の健康状態やライフスタイルに合わせて選ぶとよいでしょう。

フィラリア予防についてはこちらから

<日々のケア>
日常的なケアとして、犬や猫の体を清潔に保つことも大切です。定期的にブラッシングや入浴を行い、散歩後には耳やお腹、足の裏などを確認し、ノミやダニがついていないかチェックする習慣をつけましょう。特に見えにくい部分を丁寧に確認することがポイントです。

<環境を整える>
さらに、環境を清潔に保つことも忘れてはいけません。カーペットやソファなどはこまめに掃除機をかけたり、犬や猫用のベッドや毛布、タオルなどは定期的に洗濯したり、晴れた日には天日干しをするなどの工夫が必要です。



寄生を発見したら

ノミはブラッシングやシャンプーだけでは完全に取り除くのは難しいことがあります。
そのため、動物病院で処方される駆虫薬を使用することが大切です。
駆虫薬を使用した後はノミの死骸や糞が体に残っていることがあるため、シャンプーできれいに洗い流してあげましょう。

シャンプーについてはこちらから

一方、ダニの場合は注意が必要です。ダニは非常に強く皮膚に噛みついており、無理に引き剥がそうとすると、口器(ダニの歯)が皮膚に残ってしまうことがあります。これが原因で皮膚炎や感染症を引き起こす可能性があります。必ず獣医師に相談し、動物病院で取ってもらうようにしましょう。



まとめ

ノミやダニは一度寄生されたり家に侵入されたりすると、愛犬や愛猫だけでなく、飼い主様の日常にも大きな負担をもたらす厄介な存在です。
大切な家族を守るためにも動物病院で処方される予防薬を正しく使用し、日常的なケアや環境管理を徹底しましょう。

もしノミやダニの寄生を発見した場合は、焦らずに冷静に対処することが大切です。周囲への影響に配慮しつつ、必ず動物病院を受診し、獣医師に相談して適切な処置を受けてください。

日々の予防と早めの対処で、愛犬や愛猫はもちろん、飼い主様も快適に過ごせる環境を整えていきましょう。


東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】

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