
2025-04-02
猫の口内炎に要注意!症状と治療のポイントを解説

大田区、下丸子、矢口を中心に幅広い動物の診療を行う「まるこ未来動物病院」です。
愛猫が食事を嫌がったり、よだれを垂らしたり、口元を痛がる様子を見せると、飼い主様としてはとても心配になりますよね。こうした症状は、口内炎が原因で起こることがあります。猫の口内炎は比較的よく見られる疾患のひとつですが、適切なケアをしないと食欲低下や体重減少につながり、全身の健康にも影響を及ぼすことがあるため、早めの対処が大切です。
今回は、猫の口内炎の原因や症状、治療法、そして日常的にできるケアについて詳しくご紹介します。
<免疫異常>
免疫システムが過剰に働き、口の中の組織を攻撃してしまうことがあります。これにより、慢性的な炎症が起こり、口内炎の原因となることがあります。
<ウイルス感染>
猫カリシウイルス、猫免疫不全ウイルス(FIV)、猫白血病ウイルス(FeLV)などに感染することで、口内炎を発症することがあります。
<歯周病・歯石の蓄積>
歯石がたまると口の中の細菌が増え、歯茎が炎症を起こすことで口内炎の原因になることがあります。
歯周病についてはこちらで解説しています
<ストレス>
環境の変化などによるストレスが免疫力の低下を招き、口腔内のトラブルを引き起こしやすくなります。
・潰瘍性口内炎
口の中に潰瘍(ただれ)ができ、強い痛みを伴います。口の中にできた傷から細菌が感染し、発症することが多くみられます。
・歯肉口内炎
歯茎や口全体に炎症が広がり、進行すると食事が困難になることもあります。
・ウイルス性口内炎
ウイルス感染が原因となり、炎症を引き起こします。
・食欲の低下
・よだれが多くなる
・口臭が強くなる
・口を気にするしぐさ(頻繁に口元を舐める、前足で掻く、触られるのを嫌がる)
・体重減少
・目の炎症や涙の増加
これらの症状が見られた場合は、早めに動物病院を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
・高齢猫
年齢とともに免疫力が低下し、細菌やウイルスの影響を受けやすくなります。
・免疫系に問題のある猫
感染症を持っていたり、慢性的な病気がある猫は、免疫力の低下により口内炎が発症しやすく、また長引きやすくなります。
・口腔ケアが不十分な猫
歯石がたまり、歯周病のリスクが高まるため、口内炎を発症しやすくなります。
また、硬すぎる食事や栄養バランスの偏った食事、ストレスなども発症リスクを高める要因になります。さらに、生活環境が清潔でない場合や、多頭飼いで感染症のリスクが高い環境では、より注意が必要です。
1. 問診
まず、飼い主様からの情報をもとに、愛猫の症状や行動の変化(食欲の変化、よだれの量、口臭の有無など)について詳しくお伺いします。
2. 口腔内の視診
次に、猫の口の中を丁寧に観察し、炎症の範囲や重症度を確認します。
3. 血液検査・ウイルス検査
炎症の程度やウイルス感染の有無を調べます。血液検査では猫の全身状態もチェックできるため、他の疾患が潜んでいないかも確認します。
4. レントゲン検査(必要に応じて)
必要に応じて歯や顎の異常を確認します。歯の根元に炎症が及んでいる場合や、抜歯が必要かどうかを判断する際に有効です。
<薬物療法>
比較的軽度~中等度の口内炎では、主に薬を用いて症状を和らげる治療が行われます。
・抗生物質:細菌感染が疑われる場合、炎症を抑えるために使用します。
・抗炎症薬・鎮痛剤:炎症を抑え、痛みを軽減します。
・免疫抑制剤:免疫反応をコントロールするために使用されることがあります。
・抗ウイルス薬:ウイルス感染が原因の場合に用いられることがあります。
<歯科治療>
慢性的な口内炎や、歯周病が原因となっている場合は、口腔内の環境を改善するための歯科処置が必要になることがあります。歯科治療には全身麻酔が必要となるため、猫の体調や年齢を考慮しながら慎重に判断します。
・スケーリング(歯石除去):歯石を除去することで、口腔内の細菌の増殖を抑えます。
・抜歯:重度の口内炎では、炎症の原因となる歯を抜歯することで症状が改善することがあります。
猫の口内炎は慢性化しやすく、治療には時間がかかることが多いため、症状が改善しても継続的な管理が必要です。治療期間は数週間から数カ月に及ぶこともあり、定期的な診察を受けながら経過を見守ることが大切です。また、治療費は内容によって異なり、薬物療法のみの場合は比較的費用が抑えられますが、抜歯手術を行う場合などは5万円~10万円程度の費用がかかることがあります。
<口腔ケアを習慣にする>
毎日の歯磨きは、口内炎予防に効果的です。猫用の歯ブラシや指サック型のブラシを使用し、やさしく磨く習慣をつけましょう。歯磨きが難しい場合は、デンタルジェルや抗菌作用のある歯磨きシートを活用するのもよい方法です。
<食事の工夫>
口内炎を予防するためには、口腔内を清潔に保つことが大切です。そのためには、硬いフードを選ぶとよいでしょう。硬いフードは、ウェットフードに比べて歯垢や歯石がつきにくいため、歯の健康維持に役立ちます。
一方で、すでに口内炎ができている場合は、硬いフードが口腔内に傷をつけてしまうおそれがあります。そのため、ウェットフードややわらかい療法食を取り入れることをおすすめします。
また、免疫力を高めるためのサプリメントを併用するのも効果的ですが、使用する際には必ず獣医師に相談しましょう。
<ストレスを減らす>
ストレスは免疫力を低下させ、口内炎を悪化させる要因になります。猫がリラックスして過ごせるよう、静かで快適な環境を整えましょう。また、多頭飼育の場合は猫同士の相性に気を配り、ストレスを軽減する工夫をすることも大切です。
<定期的な健康診断を受ける>
口内炎は早期発見・早期治療が重要です。定期的な健康診断を受けることで、口腔内の異常を早めに発見し、重症化を防ぐことができます。特に、高齢の猫やウイルス感染症の疑いがある猫は注意が必要です。
東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
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愛猫が食事を嫌がったり、よだれを垂らしたり、口元を痛がる様子を見せると、飼い主様としてはとても心配になりますよね。こうした症状は、口内炎が原因で起こることがあります。猫の口内炎は比較的よく見られる疾患のひとつですが、適切なケアをしないと食欲低下や体重減少につながり、全身の健康にも影響を及ぼすことがあるため、早めの対処が大切です。
今回は、猫の口内炎の原因や症状、治療法、そして日常的にできるケアについて詳しくご紹介します。
口内炎とは?
口内炎とは、口の中の粘膜が炎症を起こし、赤く腫れたり、潰瘍ができたりする状態を指します。痛みを伴うため、食事や水を飲むのが難しくなることがあり、放置すると悪化することもあります。猫の口内炎の主な原因
猫の口内炎の発症には、多くの場合、以下のような原因が関わっています。<免疫異常>
免疫システムが過剰に働き、口の中の組織を攻撃してしまうことがあります。これにより、慢性的な炎症が起こり、口内炎の原因となることがあります。
<ウイルス感染>
猫カリシウイルス、猫免疫不全ウイルス(FIV)、猫白血病ウイルス(FeLV)などに感染することで、口内炎を発症することがあります。
<歯周病・歯石の蓄積>
歯石がたまると口の中の細菌が増え、歯茎が炎症を起こすことで口内炎の原因になることがあります。
歯周病についてはこちらで解説しています
<ストレス>
環境の変化などによるストレスが免疫力の低下を招き、口腔内のトラブルを引き起こしやすくなります。
口内炎の種類
口内炎にはいくつかのタイプがあり、それぞれ特徴が異なります。・潰瘍性口内炎
口の中に潰瘍(ただれ)ができ、強い痛みを伴います。口の中にできた傷から細菌が感染し、発症することが多くみられます。
・歯肉口内炎
歯茎や口全体に炎症が広がり、進行すると食事が困難になることもあります。
・ウイルス性口内炎
ウイルス感染が原因となり、炎症を引き起こします。
猫の口内炎の主な症状
猫の口内炎は、軽度から重度までさまざまな症状を引き起こします。軽度の場合は食事中の違和感や軽いよだれ程度で済むこともありますが、重症化すると口全体が赤く腫れ、炎症が眼や鼻にまで広がったり、全身の健康状態に悪影響を及ぼすことがあります。・食欲の低下
・よだれが多くなる
・口臭が強くなる
・口を気にするしぐさ(頻繁に口元を舐める、前足で掻く、触られるのを嫌がる)
・体重減少
・目の炎症や涙の増加
これらの症状が見られた場合は、早めに動物病院を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
かかりやすい猫の特徴
すべての猫に発症リスクはありますが、以下のような特徴のある猫は口内炎を発症しやすい傾向があります。・高齢猫
年齢とともに免疫力が低下し、細菌やウイルスの影響を受けやすくなります。
・免疫系に問題のある猫
感染症を持っていたり、慢性的な病気がある猫は、免疫力の低下により口内炎が発症しやすく、また長引きやすくなります。
・口腔ケアが不十分な猫
歯石がたまり、歯周病のリスクが高まるため、口内炎を発症しやすくなります。
また、硬すぎる食事や栄養バランスの偏った食事、ストレスなども発症リスクを高める要因になります。さらに、生活環境が清潔でない場合や、多頭飼いで感染症のリスクが高い環境では、より注意が必要です。
猫の口内炎の診断方法
口内炎が疑われる場合、動物病院では症状の程度や原因を特定するためにいくつかの検査を行います。診断の正確性を高めることで、最適な治療法を選択できるようになります。1. 問診
まず、飼い主様からの情報をもとに、愛猫の症状や行動の変化(食欲の変化、よだれの量、口臭の有無など)について詳しくお伺いします。
2. 口腔内の視診
次に、猫の口の中を丁寧に観察し、炎症の範囲や重症度を確認します。
3. 血液検査・ウイルス検査
炎症の程度やウイルス感染の有無を調べます。血液検査では猫の全身状態もチェックできるため、他の疾患が潜んでいないかも確認します。
4. レントゲン検査(必要に応じて)
必要に応じて歯や顎の異常を確認します。歯の根元に炎症が及んでいる場合や、抜歯が必要かどうかを判断する際に有効です。
猫の口内炎の治療法
猫の口内炎の治療は、炎症を抑え、痛みを軽減し、症状の進行を防ぐことを目的としています。症状の程度や原因によって治療法が異なり、長期的な管理が必要になることもあります。<薬物療法>
比較的軽度~中等度の口内炎では、主に薬を用いて症状を和らげる治療が行われます。
・抗生物質:細菌感染が疑われる場合、炎症を抑えるために使用します。
・抗炎症薬・鎮痛剤:炎症を抑え、痛みを軽減します。
・免疫抑制剤:免疫反応をコントロールするために使用されることがあります。
・抗ウイルス薬:ウイルス感染が原因の場合に用いられることがあります。
<歯科治療>
慢性的な口内炎や、歯周病が原因となっている場合は、口腔内の環境を改善するための歯科処置が必要になることがあります。歯科治療には全身麻酔が必要となるため、猫の体調や年齢を考慮しながら慎重に判断します。
・スケーリング(歯石除去):歯石を除去することで、口腔内の細菌の増殖を抑えます。
・抜歯:重度の口内炎では、炎症の原因となる歯を抜歯することで症状が改善することがあります。
猫の口内炎は慢性化しやすく、治療には時間がかかることが多いため、症状が改善しても継続的な管理が必要です。治療期間は数週間から数カ月に及ぶこともあり、定期的な診察を受けながら経過を見守ることが大切です。また、治療費は内容によって異なり、薬物療法のみの場合は比較的費用が抑えられますが、抜歯手術を行う場合などは5万円~10万円程度の費用がかかることがあります。
猫の口内炎の予防と日常ケア
猫の口内炎は、一度発症すると慢性化しやすいため、日常のケアによる予防が非常に重要です。口腔環境を清潔に保ち、炎症を防ぐことがポイントとなります。<口腔ケアを習慣にする>
毎日の歯磨きは、口内炎予防に効果的です。猫用の歯ブラシや指サック型のブラシを使用し、やさしく磨く習慣をつけましょう。歯磨きが難しい場合は、デンタルジェルや抗菌作用のある歯磨きシートを活用するのもよい方法です。
<食事の工夫>
口内炎を予防するためには、口腔内を清潔に保つことが大切です。そのためには、硬いフードを選ぶとよいでしょう。硬いフードは、ウェットフードに比べて歯垢や歯石がつきにくいため、歯の健康維持に役立ちます。
一方で、すでに口内炎ができている場合は、硬いフードが口腔内に傷をつけてしまうおそれがあります。そのため、ウェットフードややわらかい療法食を取り入れることをおすすめします。
また、免疫力を高めるためのサプリメントを併用するのも効果的ですが、使用する際には必ず獣医師に相談しましょう。
<ストレスを減らす>
ストレスは免疫力を低下させ、口内炎を悪化させる要因になります。猫がリラックスして過ごせるよう、静かで快適な環境を整えましょう。また、多頭飼育の場合は猫同士の相性に気を配り、ストレスを軽減する工夫をすることも大切です。
<定期的な健康診断を受ける>
口内炎は早期発見・早期治療が重要です。定期的な健康診断を受けることで、口腔内の異常を早めに発見し、重症化を防ぐことができます。特に、高齢の猫やウイルス感染症の疑いがある猫は注意が必要です。
まとめ
猫の口内炎は痛みを伴う疾患ですが、早期発見と適切なケアを続けることによって症状を大きく改善することができます。口元の違和感や食事を嫌がる様子が見られたら、できるだけ早めに動物病院を受診することが大切です。愛猫の健康を守るためにも、定期的な検診を受けながら、適切なケアを続けていきましょう。口内炎に関する不安や疑問があれば、いつでも当院にご相談ください。東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
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