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2025-04-24

「ワクチンは毎年打つべき?」に答えます|獣医師が解説する犬・猫の混合ワクチンと適切な接種スケジュール

大田区、下丸子、矢口を中心に幅広い動物の診療を行う「まるこ未来動物病院」です。

「毎年ワクチンって本当に必要ですか?」
これは診察室で多くの飼い主様からいただくご質問です。確かにインターネット上では「2〜3年に1回で良い」「副作用が心配」など、さまざまな情報が飛び交っており、どの情報を信じればよいのか迷ってしまいますよね。

ワクチンは、犬や猫を重大な感染症から守る大切な“盾”です。正しい知識を得ることで、不安は安心に変わります。

今回は、犬や猫の混合ワクチンについて、科学的な仕組みや接種の考え方や接種スケジュールについて詳しく解説します。


混合ワクチンとは?

混合ワクチンとは、1回の接種で複数の感染症に備えることができる予防接種です。当院では、以下の感染症に備えた混合ワクチンを取り扱っています。

犬のレプトスピラについてはこちらで解説しています


どれも、もし発症してしまうと命に関わるリスクがある感染症です。ワクチン接種によって、こうした病気から愛犬・愛猫を守ることができます。

<フェレットの場合>
フェレット専用ワクチンは日本では流通していませんが、犬用のジステンパーワクチンを接種することで、感染症リスクを大幅に軽減できます。フェレットはジステンパーに非常に弱いため、ワクチン接種は特に重要です。

当院では、フェレットをはじめとするエキゾチックアニマルの診療も行っております。お気軽にご相談ください。


理想的なワクチン接種スケジュール

ワクチンは、正しいタイミングや回数で接種することがとても重要です。ここでは、犬や猫がどのようなスケジュールでワクチン接種を受けるのが理想的かご紹介します。

<子犬・子猫の初年度接種|3回接種が重要>
子犬・子猫の場合、生後6〜8週頃からワクチン接種をスターし、3〜4週間おきに計3回の接種を行うのが一般的です。

これは、母親からもらった免疫(移行抗体)が残っていると、ワクチンの効果が十分に発揮されない場合があるためです。3回に分けて接種することで、免疫をしっかりと定着させ、感染症から守る力を高めることができます。

<成犬・成猫の追加接種>
初年度の3回接種が完了した後は、1年に1回の追加接種を基本としています。免疫力は少しずつ低下するため、毎年の接種によってその維持と再活性化を図ります。

<高齢犬・高齢猫、ワクチン接種を悩まれている方の場合>
基本的には毎年のワクチン接種を推奨しています。しかし、高齢の犬や猫の健康状態や体調を心配される方や、毎年のワクチン接種を行うことを悩まれている方に対しては、ワクチンの接種が負担にならないよう抗体価検査を実施するケースもあります。抗体価検査で十分な免疫が確認できれば、その年の接種を見送ることも可能です。

まるこ未来動物病院では、年齢や健康状態に合わせた柔軟なワクチンプランをご提案しています。


どうして子犬や子猫はワクチンを3回打つの?免疫がつくしくみ

それでは、実際にワクチンを接種すると、体の中ではどのように免疫がつくられていくのでしょうか。ここでは、免疫ができるまでの流れを簡単にご紹介します。



このように、特に子犬・子猫の初年度に3回接種を行うことは「命を守る土台作り」といえる重要なステップなのです。


ワクチン接種に関するよくある疑問にお答えします

Q:毎年必ずワクチンを打たないとダメですか?
最近では「海外では2〜3年に1回で良い」といった情報も見かけます。これは、コアワクチンと呼ばれる一部のワクチンにおいて、長期的に免疫が維持される可能性があるという研究に基づく考え方です。ただし、日本は海外と比べて環境や流行状況が異なるため、すべての犬や猫にこの考え方が当てはまるわけではありません。

当院では、原則として年1回の追加接種をおすすめしていますが、抗体価検査を活用して個別対応も可能です。抗体価が十分であれば、その年の追加接種を見送ることもできます
「ワクチンが必要かどうかを見える化」できる抗体価検査は、納得感のある予防管理に役立ちます。

Q:ワクチンの副反応が心配です…
ワクチン接種後に以下のような軽度の副反応が見られることがあります。

・発熱
・一時的な元気消失
・注射部位の腫れ

また、まれにアレルギー反応として、顔の腫れやかゆみ、嘔吐などの症状が出ることがあります。さらに、アナフィラキシーショックによって急激に虚脱状態になるケースも報告されています。

こうした重い副反応にすぐ対応できるよう、当院では接種後10〜15分ほど院内で様子を見ていただいています。ご帰宅後も数時間は安静に過ごしながら、愛犬・愛猫の様子に注意を払っていただき、少しでも気になる変化があれば、すぐにご連絡ください。

Q:混合ワクチン以外には、どのような予防が必要ですか?
混合ワクチン以外にも、大切な予防はたくさんあります。特に以下の予防接種や対策は、犬や猫の健康を守るうえで欠かせません。

▼犬の予防
狂犬病ワクチン:法律で年1回の接種が義務付けられています。

狂犬病予防についてはこちらで解説しています

▼犬・猫共通の予防
フィラリア予防:蚊を媒介とする寄生虫感染症。春から秋にかけての予防が重要です。
ノミ・マダニ対策:皮膚炎だけでなく、命に関わる感染症の予防にもなります。

フィラリア予防についてはこちらで解説しています
ノミ・ダニ対策についてはこちらで解説しています

これらの予防も含めて、当院では総合的な健康管理をご提案しています。ワクチン接種のタイミングとあわせて、ぜひご相談ください。


まとめ

犬や猫のワクチン接種は、大切な家族を感染症から守るための基本的な予防です。特に子犬・子猫の初年度3回接種は、生涯にわたる健康の基礎を作る大切なステップです。成犬・成猫になってからも、年1回の追加接種や抗体価検査を通じて、愛犬・愛猫それぞれに合ったワクチンプランを考えることが大切です。

当院では、ワクチン接種に関する不安や疑問に丁寧にお応えし、科学的根拠と飼い主様のお気持ちを大切にした最適なご提案を行っています。「今年はどうしよう?」「抗体価検査ってどんなもの?」そんな時は、どうぞお気軽にご相談ください。


東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
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