
2025-06-26
犬の気管虚脱とは?咳き込む・むせる・ガーガー音…そんな時に知っておきたいこと

大田区、下丸子、矢口を中心に幅広い動物の診療を行う「まるこ未来動物病院」です。
ある日突然、愛犬が「ガーガー」と喉を鳴らすように苦しそうな呼吸を始めた、そんな経験をされた飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。このような症状は、単なる咳ではなく、実は「気管虚脱」と呼ばれる呼吸器の病気が関係しているかもしれません。
特に小型犬に多く見られるこの疾患は、進行すると呼吸困難や失神を引き起こすこともあるため、早期の気づきと適切な対処がとても大切です。
今回は、気管虚脱について、飼い主様に知っておいていただきたいポイントを獣医師の視点から詳しく解説いたします。
気管は、本来C字型の軟骨でしっかり支えられていますが、軟骨の弾力が失われることで、呼吸のたびに気管が押しつぶされてしまいます。この状態が続くと、咳や呼吸のしづらさといった症状が現れるようになります。
<原因とリスク要因>
はっきりした原因はわかっていませんが、加齢や遺伝、肥満、慢性的な炎症などが関係すると考えられています。
以下のような犬種では、気管の構造上、発症リスクが高いため注意が必要です。
・ポメラニアン
・ヨークシャー・テリア
・チワワ
・トイ・プードル
・パグなどの短頭種
気管虚脱は初期では軽い咳だけのこともありますが、進行すると呼吸困難や慢性的な咳、酸素不足による体への負担などが生じることもあります。
特に、夏の蒸し暑さや興奮時に悪化しやすいため、日ごろからの観察がとても大切です。
・ガーガーというガチョウの鳴き声のような咳
・興奮時や散歩中の激しい咳き込み
・呼吸が荒く、苦しそうに見える
・咳のあとに吐きそうな仕草をする
・寝ているときに咳が出る
こうした症状がたびたび見られる場合は、一度動物病院にご相談することをおすすめします。
<他の病気との見分け方>
咳は、心臓病や肺の病気、喉頭の異常などでも見られる症状です。
特に高齢の犬では、複数の病気が同時に進行していることもあるため、早めに動物病院で正確な診断を受けることが大切です。
咳が出るタイミングや音の特徴、続いている期間などを記録し、できれば動画で撮っておくと、診断の手がかりになります。
診察では、まず聴診や視診で呼吸音や全身の様子を丁寧に確認したうえで、必要に応じて以下のような検査を行います。
・レントゲン検査:気管のつぶれ具合や肺の状態を画像で評価します
・気管支鏡検査(内視鏡):気管内を直接観察し、より詳細な状態を確認します
・心臓の超音波検査:気管虚脱に関連する心臓の病気がないかを調べます
<主な治療法>
治療は、症状や生活の状況に応じて選択されます。
・内科的治療:気管支拡張薬・抗炎症薬・鎮咳薬などで症状を抑えます
・外科的治療:重度の場合は、手術を検討することもあります
まるこ未来動物病院では、これまでの診療経験を活かし、その子の状態やご家庭の状況に応じた柔軟な治療方針をご提案しています。
・首輪ではなくハーネスを使用
首に力がかかると、気管を刺激して咳が出やすくなります。
首元を圧迫しないハーネスを使うことで、お散歩の際の咳を防ぎやすくなります。特に、急な引っ張りや興奮を避ける工夫も大切です。
・体重管理で呼吸の負担を軽減
肥満は気管にも大きな負担となります。
フードの量や内容を見直したり、運動量にあわせた食事管理を心がけましょう。
・空気と環境の整備で呼吸をサポート
タバコの煙や強い香りの芳香剤、ホコリなどは咳を誘発する要因となります。
定期的な掃除とともに、空気清浄機の活用や加湿器で湿度(40〜50%)を保つといった環境づくりも効果的です。
・異変があればすぐに相談を
咳の頻度が増えた、食欲が落ちた、苦しそうにしているなどの変化があれば、早めの受診をおすすめします。当院では、症状の経過も丁寧に伺いながら、無理のないケア方法をご提案いたします。
まるこ未来動物病院では、これまで多くの気管虚脱の診療を行ってまいりました。ご家族の不安に寄り添いながら、その子にとって最善の選択肢を一緒に考えてまいります。気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
■関連する記事はこちらです
・犬の咳の原因や治療法は?┃止まらない場合は病気かも?
・犬の肺水腫について|フェレットの肺水腫についても解説
東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
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ある日突然、愛犬が「ガーガー」と喉を鳴らすように苦しそうな呼吸を始めた、そんな経験をされた飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。このような症状は、単なる咳ではなく、実は「気管虚脱」と呼ばれる呼吸器の病気が関係しているかもしれません。
特に小型犬に多く見られるこの疾患は、進行すると呼吸困難や失神を引き起こすこともあるため、早期の気づきと適切な対処がとても大切です。
今回は、気管虚脱について、飼い主様に知っておいていただきたいポイントを獣医師の視点から詳しく解説いたします。
犬の気管虚脱とは?
気管虚脱とは、気管の内側がつぶれて空気の通り道が狭くなる病気です。気管は、本来C字型の軟骨でしっかり支えられていますが、軟骨の弾力が失われることで、呼吸のたびに気管が押しつぶされてしまいます。この状態が続くと、咳や呼吸のしづらさといった症状が現れるようになります。
<原因とリスク要因>
はっきりした原因はわかっていませんが、加齢や遺伝、肥満、慢性的な炎症などが関係すると考えられています。
以下のような犬種では、気管の構造上、発症リスクが高いため注意が必要です。
・ポメラニアン
・ヨークシャー・テリア
・チワワ
・トイ・プードル
・パグなどの短頭種
気管虚脱は初期では軽い咳だけのこともありますが、進行すると呼吸困難や慢性的な咳、酸素不足による体への負担などが生じることもあります。
特に、夏の蒸し暑さや興奮時に悪化しやすいため、日ごろからの観察がとても大切です。
こんな症状は要注意|気管虚脱でよく見られるサイン
気管虚脱が疑われる犬によく見られる症状には、以下のようなものがあります。・ガーガーというガチョウの鳴き声のような咳
・興奮時や散歩中の激しい咳き込み
・呼吸が荒く、苦しそうに見える
・咳のあとに吐きそうな仕草をする
・寝ているときに咳が出る
こうした症状がたびたび見られる場合は、一度動物病院にご相談することをおすすめします。
<他の病気との見分け方>
咳は、心臓病や肺の病気、喉頭の異常などでも見られる症状です。
特に高齢の犬では、複数の病気が同時に進行していることもあるため、早めに動物病院で正確な診断を受けることが大切です。
咳が出るタイミングや音の特徴、続いている期間などを記録し、できれば動画で撮っておくと、診断の手がかりになります。
診断と治療の流れ
気管虚脱の診断では、まず飼い主様からの詳しいお話がとても大切になります。咳の出るタイミングや、いつから症状が始まったかなど、可能な範囲でお伝えください。診察では、まず聴診や視診で呼吸音や全身の様子を丁寧に確認したうえで、必要に応じて以下のような検査を行います。
・レントゲン検査:気管のつぶれ具合や肺の状態を画像で評価します
・気管支鏡検査(内視鏡):気管内を直接観察し、より詳細な状態を確認します
・心臓の超音波検査:気管虚脱に関連する心臓の病気がないかを調べます
<主な治療法>
治療は、症状や生活の状況に応じて選択されます。
・内科的治療:気管支拡張薬・抗炎症薬・鎮咳薬などで症状を抑えます
・外科的治療:重度の場合は、手術を検討することもあります
まるこ未来動物病院では、これまでの診療経験を活かし、その子の状態やご家庭の状況に応じた柔軟な治療方針をご提案しています。
ご家庭でできるケアと注意点
治療とあわせて、ご家庭でのケアもとても重要です。ちょっとした工夫が、咳の軽減や病気の進行予防につながります。・首輪ではなくハーネスを使用
首に力がかかると、気管を刺激して咳が出やすくなります。
首元を圧迫しないハーネスを使うことで、お散歩の際の咳を防ぎやすくなります。特に、急な引っ張りや興奮を避ける工夫も大切です。
・体重管理で呼吸の負担を軽減
肥満は気管にも大きな負担となります。
フードの量や内容を見直したり、運動量にあわせた食事管理を心がけましょう。
・空気と環境の整備で呼吸をサポート
タバコの煙や強い香りの芳香剤、ホコリなどは咳を誘発する要因となります。
定期的な掃除とともに、空気清浄機の活用や加湿器で湿度(40〜50%)を保つといった環境づくりも効果的です。
・異変があればすぐに相談を
咳の頻度が増えた、食欲が落ちた、苦しそうにしているなどの変化があれば、早めの受診をおすすめします。当院では、症状の経過も丁寧に伺いながら、無理のないケア方法をご提案いたします。
まとめ
気管虚脱は、放っておくとつらい症状が続いてしまう病気です。「いつもと違う咳」「ちょっと苦しそう」と感じたら、早めに獣医師にご相談ください。まるこ未来動物病院では、これまで多くの気管虚脱の診療を行ってまいりました。ご家族の不安に寄り添いながら、その子にとって最善の選択肢を一緒に考えてまいります。気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
■関連する記事はこちらです
・犬の咳の原因や治療法は?┃止まらない場合は病気かも?
・犬の肺水腫について|フェレットの肺水腫についても解説
東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
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