2024-02-07
フェレットのリンパ腫について|早期治療が重要
リンパ腫とは血液細胞であるリンパ球が腫瘍化する悪性腫瘍で、副腎腫瘍、インスリノーマと並んでフェレットに好発する疾患です。
腫瘍は主に中高齢に多い疾患ですが、リンパ腫は若齢個体にもよくみられることが特徴です。
また、リンパ腫は体のあらゆる部位に生じる可能性があり、その発生部位に応じて多様な疾患が生じますが、適切な治療により長期生存が可能となります。
今回はフェレットのリンパ腫について解説していきます。
・胸腔内:呼吸困難、咳
・消化管:下痢やおう吐、排尿排便困難
・脾臓:食欲がなくなる、体重が減る、寝ていることが多くなる
などが起きるようになります。
他には、リンパ節が腫れる、後ろ足の力がなくなる、痩せてくる、元気消失、などの症状が起こることもあります。
若齢のフェレットが罹患した際には、胸腺、脾臓、肝臓などの臓器に病変が発生しやすく、一方、老齢のフェレットの場合には、腎臓や胃、肝臓、脾臓、鼻腔内に病変が生じやすいとされ、また体表リンパ節の腫れも多く見られます。
・触診:リンパ節の腫れを確認
・レントゲン検査、超音波検査:胸腔や腹腔内の腫瘍を確認
・血液検査:血液中のリンパ球の増加を確認
・細胞診:腫瘍などに針を刺して行う細胞の検査
・リンパ組織の切除生検:外科的に切除した組織を病理検査で診断
腫瘍の様子やフェレットの体調を考慮し、注射薬や内服薬など様々な種類の抗がん剤を組み合わせた治療を行います。
リンパ腫の完治は非常に困難で、寛解(病気による症状がほぼ消失し、不自由なく日常を過ごせる状態)を目指します。
当院では抗がん剤治療での半年の生存率は50%、1年の生存率は10%です。
抗がん剤と聞くと副作用が強そう、治療が辛そう、といったイメージをもたれる方も多いと思いますが、リンパ腫は抗がん剤治療への反応が比較的良好な腫瘍なので、治療開始から1ヶ月ほどで状態が改善した症例もあります。
しかし、フェレットの身体に腫れや異変を感じた際には、すぐに動物病院を受診し、治療を開始することで長期生存につながります。腫瘍が大きくなったり全身に浸潤したりする前に治療を開始することが重要です。
しかし治療を施すことで症状が改善し、元気や食欲を取り戻すことも多く、寿命を延ばせる可能性も高まります。
定期的に健康診断を受けて早期発見に努め、異常を感じたら早めに動物病院へ行くなどして、大切なフェレットとの生活をよりよいものにしていきましょう。
■フェレットについては下記の記事でも解説しています。
・初めてフェレットを飼い始めた際に気をつけること
・フェレットの副腎腫瘍について|脱毛や発情の兆候がみられたら要注意!
・フェレットのインスリノーマについて|三大腫瘍とよばれる病気の1つ
東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
当院の診療案内はこちら
腫瘍は主に中高齢に多い疾患ですが、リンパ腫は若齢個体にもよくみられることが特徴です。
また、リンパ腫は体のあらゆる部位に生じる可能性があり、その発生部位に応じて多様な疾患が生じますが、適切な治療により長期生存が可能となります。
今回はフェレットのリンパ腫について解説していきます。
原因
確定された原因はありませんが、環境や遺伝的な関与が要因としてあげられます。他にもウイルス感染が原因とされている説があります。症状
腫瘍の発生箇所によって症状が異なり、以下のように分類されます。・胸腔内:呼吸困難、咳
・消化管:下痢やおう吐、排尿排便困難
・脾臓:食欲がなくなる、体重が減る、寝ていることが多くなる
などが起きるようになります。
他には、リンパ節が腫れる、後ろ足の力がなくなる、痩せてくる、元気消失、などの症状が起こることもあります。
若齢のフェレットが罹患した際には、胸腺、脾臓、肝臓などの臓器に病変が発生しやすく、一方、老齢のフェレットの場合には、腎臓や胃、肝臓、脾臓、鼻腔内に病変が生じやすいとされ、また体表リンパ節の腫れも多く見られます。
診断方法
リンパ腫には特徴的な症状がないため、確定診断には下記のような複数の検査を組み合わせて判断する必要があります。・触診:リンパ節の腫れを確認
・レントゲン検査、超音波検査:胸腔や腹腔内の腫瘍を確認
・血液検査:血液中のリンパ球の増加を確認
・細胞診:腫瘍などに針を刺して行う細胞の検査
・リンパ組織の切除生検:外科的に切除した組織を病理検査で診断
治療方法
人や犬猫と同様に抗がん剤を使った治療が施されます。腫瘍の様子やフェレットの体調を考慮し、注射薬や内服薬など様々な種類の抗がん剤を組み合わせた治療を行います。
リンパ腫の完治は非常に困難で、寛解(病気による症状がほぼ消失し、不自由なく日常を過ごせる状態)を目指します。
当院では抗がん剤治療での半年の生存率は50%、1年の生存率は10%です。
抗がん剤と聞くと副作用が強そう、治療が辛そう、といったイメージをもたれる方も多いと思いますが、リンパ腫は抗がん剤治療への反応が比較的良好な腫瘍なので、治療開始から1ヶ月ほどで状態が改善した症例もあります。
予防法や家庭での注意点
リンパ腫を確実に予防する方法は残念ながらありません。しかし、フェレットの身体に腫れや異変を感じた際には、すぐに動物病院を受診し、治療を開始することで長期生存につながります。腫瘍が大きくなったり全身に浸潤したりする前に治療を開始することが重要です。
まとめ
フェレットのリンパ腫は特に若齢の場合には進行が早く、完治が難しい病気です。しかし治療を施すことで症状が改善し、元気や食欲を取り戻すことも多く、寿命を延ばせる可能性も高まります。
定期的に健康診断を受けて早期発見に努め、異常を感じたら早めに動物病院へ行くなどして、大切なフェレットとの生活をよりよいものにしていきましょう。
■フェレットについては下記の記事でも解説しています。
・初めてフェレットを飼い始めた際に気をつけること
・フェレットの副腎腫瘍について|脱毛や発情の兆候がみられたら要注意!
・フェレットのインスリノーマについて|三大腫瘍とよばれる病気の1つ
東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
当院の診療案内はこちら