
2023-09-08
うさぎの歯の疾患、不正咬合について

うさぎといえば可愛らしい前歯をイメージする方も多いと思いますが、実は歯の疾患が多いということをご存じでしょうか。その中でも特によくみられるのが「不正咬合」です。
そこで今回はうさぎの歯の疾患の代表格である不正咬合について詳しく解説していきます。
症状
不正咬合の主な症状は、食欲不振やよだれ、歯ぎしりなどです。
また、歯の根元側が伸びると涙が目から鼻へと抜ける管を塞いでしまうために涙が溢れたり、眼球突出が起こったりします。
さらに、歯根に感染が起こり根尖膿瘍が形成されると、顔が腫れたり皮膚から膿が出てきたりします。ひどい場合には、眼球突出や中耳炎、肺炎などが起こることもあります。
原因
うさぎの歯は一生伸び続けますが、牧草を食べたり硬いものをかじったりすることで歯は自然と削られるため、常にちょうど良い長さに保たれています。しかし、ごはんの中心がペレットの場合、歯が削られるペースよりも伸びるペースが速くなり、不正咬合が起こります。
また、先天的に下顎が前に突出していたり(下顎過長症)、事故で歯が折れたり曲がったりすることでも起こります。
診断方法
前歯は肉眼で、奥歯は耳鏡などを口の中に入れて観察し、診断をします。
また、X線検査やCT検査を行い、歯の根元の状態を確認します。
治療方法
基本的には歯を削る処置を行いますが、常生歯という性質から削ってもまた伸びてしまうため、定期的に処置を行う必要があります。
個体によっては麻酔をかけずに削ることができますが、うさぎは口を開けてじっとする事が難しく暴れてしまう子が多いので、全身麻酔をかけて歯を削る処置を行う事が多いです。
根尖膿瘍がある場合には、麻酔下で抜歯と膿瘍の切除、洗浄を行います。驚かれる方もいるかもしれませんが、皮膚に開いた穴はわざと開けたままにしておいて(開放創)、手術後、傷口が塞がるまでの間しばらく通院し、洗浄を行います。
ただし、うさぎの根尖膿瘍は完治が難しいといわれています。特に抜歯や膿瘍の切除ができない場合は再発しやすいため、生涯に渡って付き合っていく必要があります。
予防法
主食である牧草は常に食べられるようにして、毎日新しいものに入れ替えてあげましょう。また、ペレットは体重の1.5%程度を目安に、補助的に与えます。
噛み癖がある子には、かじり木や牧草でできたおもちゃなども効果的です。
まとめ
不正咬合はペットのうさぎに多くみられる歯の疾患ですが、完治が難しいため、日々あげるごはんの管理を行って未然に防ぐことが大切です。また、予防を行っていても万が一よだれや歯ぎしりが増えてきたと感じたら、なるべく早めに動物病院を受診するようにしましょう。
東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
当院の診療案内はこちら
そこで今回はうさぎの歯の疾患の代表格である不正咬合について詳しく解説していきます。
症状
不正咬合の主な症状は、食欲不振やよだれ、歯ぎしりなどです。
また、歯の根元側が伸びると涙が目から鼻へと抜ける管を塞いでしまうために涙が溢れたり、眼球突出が起こったりします。
さらに、歯根に感染が起こり根尖膿瘍が形成されると、顔が腫れたり皮膚から膿が出てきたりします。ひどい場合には、眼球突出や中耳炎、肺炎などが起こることもあります。
原因
うさぎの歯は一生伸び続けますが、牧草を食べたり硬いものをかじったりすることで歯は自然と削られるため、常にちょうど良い長さに保たれています。しかし、ごはんの中心がペレットの場合、歯が削られるペースよりも伸びるペースが速くなり、不正咬合が起こります。
また、先天的に下顎が前に突出していたり(下顎過長症)、事故で歯が折れたり曲がったりすることでも起こります。
診断方法
前歯は肉眼で、奥歯は耳鏡などを口の中に入れて観察し、診断をします。
また、X線検査やCT検査を行い、歯の根元の状態を確認します。
治療方法
基本的には歯を削る処置を行いますが、常生歯という性質から削ってもまた伸びてしまうため、定期的に処置を行う必要があります。
個体によっては麻酔をかけずに削ることができますが、うさぎは口を開けてじっとする事が難しく暴れてしまう子が多いので、全身麻酔をかけて歯を削る処置を行う事が多いです。
根尖膿瘍がある場合には、麻酔下で抜歯と膿瘍の切除、洗浄を行います。驚かれる方もいるかもしれませんが、皮膚に開いた穴はわざと開けたままにしておいて(開放創)、手術後、傷口が塞がるまでの間しばらく通院し、洗浄を行います。
ただし、うさぎの根尖膿瘍は完治が難しいといわれています。特に抜歯や膿瘍の切除ができない場合は再発しやすいため、生涯に渡って付き合っていく必要があります。
予防法
主食である牧草は常に食べられるようにして、毎日新しいものに入れ替えてあげましょう。また、ペレットは体重の1.5%程度を目安に、補助的に与えます。
噛み癖がある子には、かじり木や牧草でできたおもちゃなども効果的です。
まとめ
不正咬合はペットのうさぎに多くみられる歯の疾患ですが、完治が難しいため、日々あげるごはんの管理を行って未然に防ぐことが大切です。また、予防を行っていても万が一よだれや歯ぎしりが増えてきたと感じたら、なるべく早めに動物病院を受診するようにしましょう。
東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
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