2024-04-23
犬や猫の変形性関節症について|遊びや歩くのを嫌がる
犬や猫も人と同様、加齢に伴い、様々な健康上の問題がみられるようになります。その中でも、変形性関節症は特に注意が必要な疾患の一つです。
変形性関節症は、様々な原因で関節軟骨の損傷が起こり、関節が変形することで、痛みや違和感を生じる疾患です。慢性的な痛みにより、愛犬や愛猫の日常生活に大きな影響を及ぼすため、早期発見と適切なケアが重要です。
今回は犬や猫の変形性関節症について、症状や治療方法、予防方法などを詳しく解説します。
主な原因は加齢に伴う自然な摩耗や、関節の石灰化により、犬では成犬の約20%、猫では12歳以上で約90%に変形性関節症が認められたという報告があります。
また、肥満や滑りやすい床、以下のような関節に負担がかかる病気も変形性関節症の原因となります。
・股関節形成不全
・膝蓋骨脱臼
・ウォブラー症候群
・前十字靭帯断裂
・関節リウマチ
加えて、大型犬種や猫ではスコティッシュ・フォールドなどで多く発生します。
また、冬になると気温が下がることで身体が冷えてしまい、気圧の変化などの影響も加わり、血行が悪くなり、関節周りの筋肉がこわばってしまいます。そのため、冬場や季節の変わり目は、関節の痛みなどの症状が出やすくなります。
また、動き初めに跛行(正常な歩行ができない状態)を示しますが、歩き始めると普段通り歩く様子も見られたりします。
さらに、痛みによって抱き上げられた際に鳴いたり、怒ったりするなどの変化がある場合もあります。
猫の場合は爪とぎをしなくなる様子も見られることもあります。
そして、最も重要な診断ツールの一つがレントゲン検査です。レントゲン検査では、痛みのある部位を撮影して関節の変形や異常を探ります。場合によっては、より詳細な画像を得るためにCT検査を行うこともあります。これらの画像診断により、症状の原因となっている具体的な関節の状態を把握し、適切な治療計画を立てることが可能になります。
薬物療法には、非ステロイド性抗炎症薬が一般的に使用され、炎症と痛みを軽減します。
最近では、関節の痛みに対して月1回の投与を行うことで痛みをコントロールする薬も出ました。
また、補助療法として関節疾患に有効な成分を含んだサプリメントを使用することもあります。
体重管理は、変形性関節症の治療において非常に重要です。肥満は関節に余分な負担をかけ、症状の悪化を招くため、健康的な食事と適度な運動により理想的な体重を維持するようにしましょう。
運動は関節の柔軟性を向上させ、筋力を維持するのに役立ちます。適度で低負荷の運動、例えば泳ぐことやゆっくりとした散歩が有効です。
しかし、過度の運動は関節にダメージを与える可能性があるため、獣医師と相談しながら適切な運動計画を立てることが大切です。
場合によっては、関節の変形が著しい、または痛みの管理が困難な場合に外科手術が検討されます。手術には、関節置換術や関節の固定術など、様々な種類がありますが、これらは通常他の治療法が効果を示さなかった場合の最終手段とされています。
特に肥満は関節への負担を増加させるため、体重管理には特に注意が必要です。
また、フローリングのような滑りやすい場所での活動を控えることや、足裏の毛を定期的にカットしてあげることで滑りにくくすることも一つの対策となります。
東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
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変形性関節症は、様々な原因で関節軟骨の損傷が起こり、関節が変形することで、痛みや違和感を生じる疾患です。慢性的な痛みにより、愛犬や愛猫の日常生活に大きな影響を及ぼすため、早期発見と適切なケアが重要です。
今回は犬や猫の変形性関節症について、症状や治療方法、予防方法などを詳しく解説します。
原因
変形性関節症は、骨と骨の間の動きをスムーズにし、骨同士の衝撃を緩和するクッション作用を有する軟骨が摩耗することにより発生する病気です。この病気は、軟骨がすり減ることで起きた関節への悪影響や、関節の石灰化、神経圧迫などで痛みを引き起こします。主な原因は加齢に伴う自然な摩耗や、関節の石灰化により、犬では成犬の約20%、猫では12歳以上で約90%に変形性関節症が認められたという報告があります。
また、肥満や滑りやすい床、以下のような関節に負担がかかる病気も変形性関節症の原因となります。
・股関節形成不全
・膝蓋骨脱臼
・ウォブラー症候群
・前十字靭帯断裂
・関節リウマチ
加えて、大型犬種や猫ではスコティッシュ・フォールドなどで多く発生します。
また、冬になると気温が下がることで身体が冷えてしまい、気圧の変化などの影響も加わり、血行が悪くなり、関節周りの筋肉がこわばってしまいます。そのため、冬場や季節の変わり目は、関節の痛みなどの症状が出やすくなります。
症状
関節の痛みや不快感から、動くのを嫌がるようになります。具体的には、痛みのために散歩や遊びに消極的になる、階段の上り下りを避けるようになったり、寝ている時間が増えたりといった行動の変化が見られます。しかし、これらの症状は徐々に進行するため、単なる老化と誤解されることも珍しくありません。また、動き初めに跛行(正常な歩行ができない状態)を示しますが、歩き始めると普段通り歩く様子も見られたりします。
さらに、痛みによって抱き上げられた際に鳴いたり、怒ったりするなどの変化がある場合もあります。
猫の場合は爪とぎをしなくなる様子も見られることもあります。
診断方法
まず、飼い主からの詳細な問診を行い、上記のような症状の有無を確認します。その後、歩行検査と触診により、実際に動物が歩いている様子を観察し、痛みの有無を直接確認します。そして、最も重要な診断ツールの一つがレントゲン検査です。レントゲン検査では、痛みのある部位を撮影して関節の変形や異常を探ります。場合によっては、より詳細な画像を得るためにCT検査を行うこともあります。これらの画像診断により、症状の原因となっている具体的な関節の状態を把握し、適切な治療計画を立てることが可能になります。
治療方法
完治させることは難しい病気で、治療は痛みの管理と関節の機能の維持を目的としています。治療法は、症状の重さや進行度、ペットの全体的な健康状態に応じて異なりますが、一般的には薬物療法、体重管理、運動、そして必要に応じて外科手術が含まれます。薬物療法には、非ステロイド性抗炎症薬が一般的に使用され、炎症と痛みを軽減します。
最近では、関節の痛みに対して月1回の投与を行うことで痛みをコントロールする薬も出ました。
また、補助療法として関節疾患に有効な成分を含んだサプリメントを使用することもあります。
体重管理は、変形性関節症の治療において非常に重要です。肥満は関節に余分な負担をかけ、症状の悪化を招くため、健康的な食事と適度な運動により理想的な体重を維持するようにしましょう。
運動は関節の柔軟性を向上させ、筋力を維持するのに役立ちます。適度で低負荷の運動、例えば泳ぐことやゆっくりとした散歩が有効です。
しかし、過度の運動は関節にダメージを与える可能性があるため、獣医師と相談しながら適切な運動計画を立てることが大切です。
場合によっては、関節の変形が著しい、または痛みの管理が困難な場合に外科手術が検討されます。手術には、関節置換術や関節の固定術など、様々な種類がありますが、これらは通常他の治療法が効果を示さなかった場合の最終手段とされています。
予防法やご家庭での注意点
変形性関節症の予防には、適正な体重の維持、バランスの取れた栄養摂取、適度な運動が重要です。特に肥満は関節への負担を増加させるため、体重管理には特に注意が必要です。
また、フローリングのような滑りやすい場所での活動を控えることや、足裏の毛を定期的にカットしてあげることで滑りにくくすることも一つの対策となります。
まとめ
変形性関節症は、犬や猫の高齢化に伴い見られる一般的な疾患です。痛みのコントロールと生活の質の向上が治療の主な目的であり、早期発見と適切なケアによって、愛犬や愛猫の健康と快適な生活を維持することが可能です。東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
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