2024-01-31
犬や猫の乳腺腫瘍について|避妊手術で予防ができる病気
乳腺腫瘍とは、乳腺組織にできる腫瘍の総称です。犬では良性と悪性の割合が半々ですが、猫では80%以上が悪性と言われています。
悪性の場合は乳腺組織にとどまらず、リンパ節や肺に転移し治療が困難となる恐ろしい病気です。
今回は犬や猫の乳腺腫瘍について詳しく解説していきます。
小さなものはよく触らないとわからないですが、大きくなるとしこりが邪魔で歩行に支障が出たり、自壊(腫瘍が破裂すること)して化膿したりします。
また、しこりが急激に大きくなる場合は悪性の可能性が高いです。
しかし、それが良性か悪性かは、腫瘍の外科的切除後に専門機関で検査をしないと確定できません。
またレントゲン撮影により肺やお腹の中に転移がないかを確認します。
しこりが一カ所だけで小さい場合は、しこり部分のみを局所的に切除します。
しかし、しこりが複数箇所にある場合や、悪性の可能性が高い場合は、残った乳腺にまた腫瘍ができてしまうことが多いため、脇の下から内股にかけて、乳腺全体を切除します。
すでに乳腺以外へ転移が見られる場合は、原則的には外科切除は行いませんが、一部の例では、外科的切除後に放射線治療や抗がん剤治療を組み合わせるなどを行い、QOLの向上を目指します。
初回発情より前に避妊手術を行うと、腫瘍の予防率は99.5%、2回目の発情までに避妊手術を行うと、予防率は92%とされています。しかし、2回目の発情後に避妊手術を行うと、予防率は急激に74%まで下がってしまいます。そのため、遅くとも2回目の発情までに避妊手術を行うことが効果的です。
また、日頃からペットの体によく触り、観察することで、腫瘍の早期発見に努めましょう。
悪性であっても転移がなければ、外科的切除により長生きできる可能性を高めることができる場合もあります。
繁殖を希望しない場合はできるだけ早期の避妊手術を検討し、病気の発生を予防しましょう。
東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
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悪性の場合は乳腺組織にとどまらず、リンパ節や肺に転移し治療が困難となる恐ろしい病気です。
今回は犬や猫の乳腺腫瘍について詳しく解説していきます。
原因
乳腺組織が性ホルモン(エストロゲン)の影響により発達・増殖しているうちに、一部が遺伝子変異などを起こして腫瘍化すると考えられています。症状
犬では左右5対、猫では左右4対の乳腺があり、その乳腺上にしこりができます。小さなものはよく触らないとわからないですが、大きくなるとしこりが邪魔で歩行に支障が出たり、自壊(腫瘍が破裂すること)して化膿したりします。
また、しこりが急激に大きくなる場合は悪性の可能性が高いです。
診断方法
腫瘍の発生部位を見て乳腺腫瘍かどうかは判断できます。しかし、それが良性か悪性かは、腫瘍の外科的切除後に専門機関で検査をしないと確定できません。
またレントゲン撮影により肺やお腹の中に転移がないかを確認します。
治療方法
外科的切除が第一選択です。しこりが一カ所だけで小さい場合は、しこり部分のみを局所的に切除します。
しかし、しこりが複数箇所にある場合や、悪性の可能性が高い場合は、残った乳腺にまた腫瘍ができてしまうことが多いため、脇の下から内股にかけて、乳腺全体を切除します。
すでに乳腺以外へ転移が見られる場合は、原則的には外科切除は行いませんが、一部の例では、外科的切除後に放射線治療や抗がん剤治療を組み合わせるなどを行い、QOLの向上を目指します。
予防方法や注意点
乳腺腫瘍は性成熟に伴って発生のリスクが高まるため、避妊手術が最も効果的な予防法です。初回発情より前に避妊手術を行うと、腫瘍の予防率は99.5%、2回目の発情までに避妊手術を行うと、予防率は92%とされています。しかし、2回目の発情後に避妊手術を行うと、予防率は急激に74%まで下がってしまいます。そのため、遅くとも2回目の発情までに避妊手術を行うことが効果的です。
また、日頃からペットの体によく触り、観察することで、腫瘍の早期発見に努めましょう。
悪性であっても転移がなければ、外科的切除により長生きできる可能性を高めることができる場合もあります。
まとめ
乳腺腫瘍は、あらゆる腫瘍の中でも数少ない「予防ができる」腫瘍です。また、避妊手術を行うことで、乳腺腫瘍だけでなく子宮蓄膿症や卵巣腫瘍、発情に伴う問題行動なども予防できます。繁殖を希望しない場合はできるだけ早期の避妊手術を検討し、病気の発生を予防しましょう。
東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】
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