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2024-01-31

犬と猫のリンパ腫について|よく見られる腫瘍の病気

リンパ腫は、リンパ球という血液中の免疫細胞ががん化し、全身で増殖することで様々な症状を引き起こす疾患です。
様々な腫瘍がある中で、犬、猫ともに発生率が高く、初期のうちは症状が出ないこともあり気づきにくい特徴があります。

今回は犬と猫のリンパ腫について詳しく解説していきます。


原因

原因は明確ではありませんが、犬では特発性(具体的な原因がなく、突然起こる)や遺伝的な要因があると考えられています。

猫では特発性に加え、猫白血病ウイルスや猫エイズウイルスに感染していると発症しやすいことが分かっています。

【リンパ腫】


症状

リンパ腫にはいくつか種類があり、それにより症状も異なります。

多中心型
全身の体表面にあるリンパ節が腫れます。
体重減少や食欲不振・発熱が見られますが、無症状のことも多いです

皮膚型
皮膚に潰瘍やびらん(ただれた状態)ができ、多くは痒みを伴います。
初期のうちは皮膚炎との区別がつきにくく、リンパ腫と気づかないことが多いです

消化器型
胃や腸に腫瘍ができ、嘔吐や食欲不振、下痢などの消化器症状が起こります。

前縦隔型
胸の中に腫瘍が発生し、呼吸が荒くなったり咳が出たりします
重症化すると胸水が溜まり呼吸困難となります。
猫白血病ウイルス陽性の猫に多いです。

鼻腔内型
ほとんどが猫で起こり、鼻の中に腫瘍ができます
鼻水や鼻血が見られ、重症化すると顔面変形や鼻呼吸ができなくなるため開口呼吸(口でハァハァと息をする)が見られます



診断方法

多中心型の場合はしこり部分に細い針を刺し、中の細胞を取ってきて顕微鏡で検査します(細胞診)。
消化器型・前縦隔型・鼻腔内型はレントゲン検査、エコー検査、CTなどの画像診断により腫瘍が見つかることが多いです。
皮膚型など一部のリンパ腫では、病変部の一部を局所麻酔下で切り取り、専門機関で検査しないと分からないものもあります。



治療方法

抗がん剤治療が第一選択です
1種類の薬ではなく、様々な薬を組み合わせて行う「多剤併用療法」が一般的で、1週間に1回のペースで半年ほど治療を行います。
1カ所に大きな腫瘍が限局して存在する場合は、外科的な切除を行ってから抗がん剤を用いることもあります。
また、鼻腔内型には放射線治療を組み合わせることもあります。



予防方法や注意点

残念ながら犬ではリンパ腫の発症を予防することはできません。日頃から犬の体をよく観察したり定期的に健康診断を受けたりして、早期発見・早期治療をすることが大切です

猫では、ワクチン接種の徹底や室内飼育により感染猫への接触をさせないことにより猫エイズウイルス・猫白血病ウイルスへの感染を防ぐことで、発症リスクを下げられます。



まとめ

リンパ腫は犬猫で比較的多く見られる腫瘍です。しこりのようなものが触れるときには早めに動物病院を受診しましょう。
また、定期的に健康診断を受け、レントゲンやエコー検査で胸の中やお腹の中に異常がないか確認しておくと安心です。



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